【前編】フルリモート企業で聞く!リモート環境徹底解説! ~回線選び・仕事部屋編~

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23新卒の垣見(かきみ)です。リモートワーカーが多数在籍するサーバーワークスで、「回線速度」「住んでいる部屋の数」「デスク周りの必須機器」などをアンケート調査しました!
この企画は前編・後編に分かれており、この記事は【前編】~回線選び・仕事部屋編~に当たります。

【後編】~お勧め機器紹介編~は明日8/9午後18時公開予定です!こちらからどうぞ! sabawaku.serverworks.co.jp

はじめに

連日猛暑が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか?リモートワークの私は自宅のエアコンをほぼフル稼働させながら、麦茶片手に毎日を乗り越えております。
そんな私が所属するサーバーワークスは、コロナ前からリモートワークを実施していた会社です。実際、アンケート結果によると、現在の社員の出社頻度は以下のとおり。

社員の出社頻度

「全くしない」:28.3%、「年に一度」:3.3%、「数か月に一度」:3.3%、「月に一度」:30.3%、「二週に一度」:15.0%、「週に一度」:16.7%、「週に二、三度」:3.3%、「ほぼ毎日」:0%(2023年6月29日~2023年7月6日までの回答/回答者60人)…ということで、「私たちの会社にはリモートワーカーがたくさんいる」といえますよね!超ざっくり…

そんなリモートワークには、実は環境の整備がとても重要です。
実は私は、入社してすぐに「回線の調子が悪い」「イヤホンマイクの性能のせいで話が途切れる」などなど、リモートワークについての悩みを経験しました。自分の声が相手に届かないので、同期とスマホ電話を繋いで中継してもらう...なんて辛いハプニングも!(その日、スマホの通信制限がかかりました。)
報連相が大事な仕事において、コミュニケーションに障害が出るのは致命的ですよね。調べてもなかなか情報が出てこなくて環境が整うまでは一苦労しました...。

という訳で今回は、リモート環境での様々な項目について任意の社内アンケートを実施しました!社内チャットに「お願いしまーす!」と投稿したところ、1週間という短い期間(2023年6月29日~2023年7月6日)で集まった回答はなんと60件!社員の皆様、ご協力ありがとうございます。

こんなお悩みを持つ方に、回答結果が少しでもお役に立てれば幸いです!

調査方法

期間:2023年6月29日~2023年7月6日
対象:サーバーワークス社員有志(60名)
方法:Googleフォームを作成し、社内チャット(Slack)で共有
質問:すべての項目が任意回答。内容を「インターネット回線について」「作業スペースについて」「導入すべきツールについて」の3観点に分け、それぞれいくつかの質問を行いました。 それでは結果と考察を行っていこうと思います!
大ボリュームな記事となっておりますので、気になるリンクをつまみ読み!という読み方もおすすめです。

質問1. インターネット回線について
質問2. 作業スペースについて
質問3. 導入すべきツールについて

ちなみに「 記事冒頭(目次リンク部分)に戻る」というリンクを記事各所(3つの質問群の最後)に置いているので、冒頭にある細かいリンクから読みたい質問の回答だけお読みいただくことも可能です!

また、人気記事「【私のデスクを公開】シリーズ」もぜひ合わせてご覧ください。 sabawaku.serverworks.co.jp sabawaku.serverworks.co.jp

質問1. インターネット回線について

リモートワーク時におけるインターネット回線について調査しました。回答結果は以下の通りです。

1/5 回線速度(上り・下り)の数値を計測して教えてください

まずはお待ちかね、どれくらいのインターネット速度があれば仕事が可能なのか!
結果の分布はこのようになりました。
※回線速度は時間帯によってコンディションが変わりますが、今回は区別せずに集計しております。あくまで目安ということであらかじめご承知おきください。

アンケートでは一律でこちらのスピードテストサイトで測ってもらいました。 www.speedtest.net 結構分布の幅が広い...!Download(下り)は2.28から8100までの平均403.25Mbps、Upload(上り)では3.08から2700までの平均198.22Mbpsという結果になりました。この幅広さは、私と同じ新卒メンバーなど最近入社した人も含んでいることによる考えのブレが原因として考えられます。

「回線に障害・不安あり」という黒い丸の回答は、「現在の回線速度に満足していますか?していない場合は理由(~なトラブルが起きる)も教えていただけると嬉しいです」という質問に何かしらの問題を書いた回答者を表しています。
特に上り・下りともに30Mbps付近(または以下)だとかなりの人がつながりやすさに不満を訴えているようです。
また、上りと下りの一方の値が高くても、どちらかが100Mbps以下だと繋がりにくさが出てくることがわかりました。

ところでみなさま、すごい外れ値になっている「猛者」、気になりますよね。

Download(下り)8.1「G」bps、Upload(上り)2.7「G」bpsということで、もはや単位から異なっています。この方は有線でeo光を契約しており、

高速な光回線以外の選択肢を作りたくなかった。自宅だと家族がインターネット利用することも考えられ、仕事中にミーティングをしているとどうしても速度が落ちる可能性があるため10Gbpsの光を選択した。

と述べています。その社員の回線評価はもちろん「大満足」です。

もし、「とにかく回線を強くしたい!!」といった場合はこういった選択肢もあるのですね!

2/5 不満を感じる場合、その理由はなんですか

「不満がある」と回答した人の理由としては、以下のようなものがありました。

【通信速度】

  • 個人用/会社用問わずVPN接続してないとIPv4の通信が不安定です(下り17.52, 上り9.42)
  • ほとんどの日はWeb会議など問題なく出席できるのですが、週に2回のペースで5分くらいつながらなくなります(下り20.28, 上り12.66)
  • GoogleMeetを使っていると”通信が不安定です”と表示がでてしまいます(下り569.6, 上り99.01
  • 時間帯によって遅くなるのが不満です(下り12.66, 上り14.17)
  • 夜間パケロスが多いです(下り42.75, 上り55.77) 【複数台での接続】

  • 普段は業務に問題ありませんが、子供がゲームのダウンロードを始めると仕事にならなくなる時があり、予備のデザリング回線に切り替えてます(下り7.71, 上り7.4)

  • まあまあ満足。複数台が同時にインターネット接続すると少し遅くなってしまいます(速度未回答) 【その他】

  • 固定 IPにできないのが不満です(下り76.63, 上り68.33)

  • 終端装置から自室までがVSDLなので物理的に100Mbpsが上限なところが不満です(プロバイダや回線事業者というよりアパートの設備の問題)(下り93.82, 上り93.53)
  • モデムorルーターの不調のせいか稀に家全体でWifiがつながらなくなることがあります(ルーターとモデムの再起動でだいたい回復します)(下り93.54, 上り94.68)
  • 以前は安定的に3桁はあったのに今回のチェックでは上りも下りも速度が遅くなっていました。同じ回線でも時期によって変わることがあるのか!と驚愕しています(同上)

不満の報告は上りと下りが100以下の場合が多かったですが、中には「下り569.6, 上り99.01」というように下りの速度は十分にあっても「通信が不安定」になるという意見もありました。両方のバランスが重要になってくるという仮説が立てられますね。回線によってダウンロード(下り)速度のみ宣伝している場合もありますが、アップロード(上り)速度にも注意しましょう!

また、「パケロス(パケットロス)」という言葉も登場しました。社内で詳しい方に意見を聞いたところ、「アップロードとダウンロードの速度よりもパケット(通信データ)がしっかり届くかの安定性の方が大事!」というご意見もいただきました。速度チェックだけでなく、データがいつでも安定してやり取りできるか?という部分を今一度確認してみましょう。筆者は「受信は問題ないのに送信映像が乱れる」というトラブルが起こったこともあります。自分では気づかない部分なので、改めて複数の同僚に「自分の映像や音声はスムーズに確認できるか?」と尋ねてみるのもよいと思います!

さらに、「一人では問題ないが複数人で接続すると遅くなってしまう」という意見もありました。これは環境チェックに当たって見落としやすそうな観点で、アンケートならではの結果ですね。同居人の生活スタイルにも気を付けることが大切なようです。

3/5 光回線を使用していますか?

回線の種類についてはどうでしょうか?一番気になるのは、「光回線かどうか」というところ。速いとよく言われるものの、その分料金も高くて少し気後れする感情もありますよね。
そこで回線の種類について聞いたところ、こんな結果になりました。

やはり光回線を使用している人は多いですね。
光回線ではないと答えた人の中には、「CATV(Common Antenna TeleVision / Community Antenna TeleVision)」すなわちケーブルテレビのインターネットと回答した人もいました。

4/5 普段のインターネット接続は無線ですか?有線ですか?

有線と無線ではこちらの回答が得られました。無線の方がやや多かったです。出社と自宅を繰り返す働き方の場合、ノートパソコンを繋がないほうが動かしやすいという手軽さはありそうですね!
ただし今回のアンケートでは「有線」「無線」「自由回答」という聞き方をとったため、「有線と無線はどちらも用意しているが普段は無線(有線)」という人も「無線(有線)」回答者に含まれていることに注意してください。

5/5 インターネット回線選びで重視すべきこと・アドバイス・過去の経験談などがあれば教えてください

最後に「Q1. インターネット回線について」のまとめとして、インターネット回線に関わるアドバイスをなんでも募集しました!
以下は回答の一部を分野別にまとめたものです。ぜひぜひご覧ください!

【速度に関する意見】

  • マンションの無料回線は不安定なこともある。基本的には光回線に切り替えると速度が改善される
  • 引っ越し時には上限1G以上の回線か確認する必要がある
  • 独身の場合は10Mbpsで十分だが、家族がいる場合は100Mbps以上が望ましい
  • 回線速度と安定性が重要で、利用ユーザー数が多い場合は不安定になる可能性がある
  • どの家庭でもNUROの専用線など引かない限りはたまに【なぜか回線の調子が悪い日】が発生する

【ネットワークの安定性に関する意見】

  • 安定して通信できるのが最も重要
  • 現在の契約では回線が不安定で速度が出ていないため、速度よりも料金と安定性を重視すべき
  • スマホでテザリングできるようにしておくと、メイン回線が使えない場合でも対処できる
  • 予備デザリング回線はほぼ必須
  • 回線が不安定な時のための保険として楽天モバイル回線を別に契約しているけど、メイン回線が使えないときでも意外に通信が安定しており、Web会議などでも大きな問題もなく使えることから何度かメイン回線が使えないときに助けられた。※ただし「モバイル回線は緊急時以外に使用すべきではない」という意見もあったので要注意です
  • DNSサーバのIPアドレスを固定すると回線速度が安定する
  • 無線LANの2.4GHz帯での接続はおすすめしない。できれば5GHz帯での接続か、有線LANの方が通信が安定する

【事業者選び・料金に関する意見】

  • 乗り換えることで料金を抑えることができる
  • 乗り換えのキャンペーンを利用できるところを選ぶべき
  • ネットワーク事業者とISPは分けて選ぶべき
  • 解約がオンラインで簡単に行えるサービスを選ぶべき
  • マンションの標準Wi-Fiには妥協せず、不満があれば乗り換えるべき

【その他の意見】

  • 引っ越し時に光コンセントの有無と部屋まで回線が来ているかを確認するべき
  • 光回線の端末から無線LANルーターへのLANケーブルを「カテゴリー6」にすると、回線の最大速度をより活用できる

インターネット回線についての質問はここまでです。予算や工事など(特に同居人がいる場合に)気軽な変更が大変な部分ではありますが、リモートワークの土台となる大切な部分です。まずは一度、自分の環境を知ることから始めてみましょう!

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質問2. 作業スペースについて

続いて、リモートワーク時のオフィス代わりとなる「作業スペースについて」調査しました。私の新卒同期にも、「仕事専用部屋を作って集中できるようにしている」という人もいれば「家賃の関係でそんなに部屋数にこだわれなかった」「そんなに部屋いる?」などなど、様々な意見の人がいます。また、家族が家にいる方はリモートワークをどこで、どのように行うのがいいのか判断に悩むこともありますよね。そんな経緯でとったアンケート、サーバーワークスではこんな結果になりました!

1/4 ひとり暮らしですか?

前提として同居人数によって住宅環境は大きく異なると考えたため、ひとり暮らしと複数人での生活で分けて質問しました。調査対象の属性は図の通り、ひとり暮らしが19人、それ以外が39人です。

2/4 【ひとり暮らしの場合】生活(食事、睡眠、料理)の部屋と分けた仕事専用部屋が存在しますか?

ひとり暮らしの場合よく聞くのが「仕事部屋」の存在。結果としては「仕事部屋」を用意している人は少数派となりました。ワンルームの部屋でも仕事は十分に行えそうですね!節約を気にしていきたい筆者にとっても心強い情報です。

3/4 【2人以上暮らし(実家含む)の場合】仕事専用部屋が存在しますか?

気になる複数人暮らしでのリモートワーク場所。

半数ほどの方が「自分の部屋(寝室など込み)で作業している」と回答する結果になりました。「共用部で作業している」「仕事専用の部屋がある」という人はそれぞれ全体の1/4程度でした。

また、「基本的に自宅で仕事をしない」と答えた1名の方は「仕事部屋があれば理想だと思いますが、なかなかそうもいかないのが現実だと思います。ですから、家にこだわらずにシェアオフィスを活用することも選択肢として良いと思います」とコメントしてくださりました。たしかに、オフィスに出社しないリモートワークには「シェアオフィスの活用」という手段もありますね!目から鱗が落ちる回答でした。

4/4 その他、仕事空間とプライベートの切り分けについて意見やアドバイスがあれば教えてください

自由回答を募った結果、たくさんの意見が集まりました!以下は「仕事と生活空間を分けている・分けるべき」「分けていない」「分けるための工夫」「その他」としてまとめたものです。

【仕事空間と生活空間を分けている・分けるべき】

  • 仕事部屋があると気持ちの切り替え・リフレッシュがうまくいく
  • 仕事空間には仕事道具しか置かない(仕事以外でその部屋に用事がないようにする)
  • 寝る部屋と仕事部屋は分けるべき。また、食事するテーブルと仕事のデスクも別にするべき
  • リビングとの仕切りがパーテーション1枚なので、同居している家族が平日休みだと音漏れとかで少し気が散る...同居家族がいる場合、仕事部屋は共用部屋からは独立しているといいなあって最近感じます

【仕事空間と生活空間を分けていない】

  • 仕事を仕事だと思いたくないので一切切り分けていない
  • そもそも仕切るほど広くない
  • 仕事空間と生活空間を分ける必要はないと感じている
  • 仕事専用の部屋があると良いが、間取りの都合上完全に分離できない場合もある

【部分的な切り分け・切り分けのための工夫】

  • 仕事中にベッドや布団が目に入るとオン・オフが曖昧になるので、ベッドは置いていない/仕切りを置く
  • 仕事部屋があるので基本的にはそれで分かれているが、息詰まるときは散歩するか、コワーキングスペースまたはカフェに行って環境を変えている
  • 生活空間(ベッドやキッチン・テレビなど)が目に入らないように机を配置するほうが仕事モードに切り替えやすいと感じる
  • 一人暮らしのときは仕事空間とプライベートの空間を背中合わせにすることで気持ちを切り替えるようにしていた

【その他】

  • 逆に仕事空間でプライベートなこと(趣味)をしている
  • 自宅でAWS認定試験を受ける場合は「手の届く範囲に何もないこと」が要件になるため、仕事空間にしておくと便利
  • 切り分けのスイッチとなるものを作ると良い。例えば、仕事が終わったらノートパソコンの電源をオフにするなど
  • 仕事部屋があれば理想だと思うが、なかなかそうもいかないのが現実だと思う。シェアオフィスを活用することも選択肢として良いと思います

仕事空間と生活空間の切り分けについては個人の好みや状況によって異なる意見があることがわかりました。切り分けを重視する人もいれば、一切分けない方もいるようですね。
部屋の広さや数は簡単に変えられるものではないからこそ、自分に合ったスタイルを見つけていきましょう!

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まとめ

リモートワーク環境の整備は重要です。アンケート結果をもとに、インターネット回線や作業スペースの整備、おすすめのツールについてのアドバイスをご紹介しました。
これからリモートワークを始める方々にとって、より快適な作業環境を整える一助となれば幸いです。

それでは皆様、快適なリモートワークをお過ごしくださいませ!

【後編】~お勧め機器紹介編~はこちらからご覧ください! sabawaku.serverworks.co.jp

かきみ たまき (記事一覧)

文学部出身23卒新入社員。IT未経験からせっせと研修中。

猫と美味しいものが好きです。