こんにちは。
2020年4月に新社会人となり、早くも年度が終わろうとしています。
新卒の1年目は本当にあっという間ですね。
さて、本記事では、私が9月から10月の2か月間OJTを行ったPE課での体験をお話します。
そもそも、サーバーワークスに入社した新入社員は、1年目をほぼOJTで終えるということをご存知でしょうか。
今回は、サーバーワークスのOJTのシステムを軽くご紹介した上で、PE課の業務内容やリモートワーク中の環境、OJT中の体験を通じて得た学びなどをお話しようと思います。
はじめに
先述の通り、私は2020年4月にサーバーワークスに入社しました。しかし、まだ本配属はされていません。
というのも、サーバーワークスに新卒で入社した新入社員は、「IT基礎研修」と、計4部署をめぐるOJTに1年を使うためです。
IT基礎研修とは、文字通りITの基礎的な知識を学ぶ研修のことです。4月から6月まで、3か月みっちり行われます。
2020年度のIT基礎研修は私の同期が体験記を書いてくれています。詳細は以下の記事をご覧ください。
そして、IT基礎研修終了後の7月から、OJTが始まります。
OJTでは、1部署に2か月間お邪魔し、8か月かけて計4部署をめぐります。
色々な部署を体験することができるため、本配属先を考える上で大いに参考になります。
今回私が紹介するのは、2番目のOJT先であった「PE部PE課」です。
ところでPE課とは、どのような業務を行っている部署なのでしょうか。
「PE」という言葉でググってみると様々な定義がヒットしますが、とりあえずは「プロセスエンジニアリング」だと考えればいいと思います。
業務内容をより分かりやすく表現すると、「社内の業務改善」ということになるでしょうか。
実際、PE課の人の業務は社内システムの開発・保守をメインとしており、お客様が社内の人、といった感じです。
そのため、サーバーワークスは「AWS専業のインテグレーター」を事業の柱としている会社ですが、PE課の人は社内システム改善に従事しているため、AWSにがっつり関わる機会は他部署に比べ少ないようでした。それよりも、プログラミングを通して何かを作ったり直したりすることがメインのようです。
ちなみにこれは余談なのですが、現在PE課に配属されている人は、全員新卒からサーバーワークスに在職している人達だそうです。実際、PE課でのOJT中は、雰囲気や価値観といったものに対し一体感があるように感じていました。
ですので、少々乱暴な表現かもしれませんが、PE課は、「サーバーワークスらしい人たちが、サーバーワークスらしくない業務をしている部署」と言えるのかもしれません。
OJT参加前の状態
そのようなPE課にOJTとしてお邪魔することになった私ですが、先述したように、PE課はプログラミングをする機会が多い課です。
そして、OJT開始時点の私のプログラミング力ですが、ぶっちゃけ「無いに等しい」レベルでした。
IT基礎研修中に1週間Pythonに触れる機会があったのですが、人生でPythonを用いたプログラミングを行ったのはその1週間のみです。
さらに言うと、そのたった1週間のPython研修で、私はプログラミングに対する苦手意識を作ってしまっていました。 与えられた課題は初歩的なものだったのですが、コードを試行してもerrorばかり出て、うまくいかないことだらけだったのです。
そんな状態の私に与えられたOJTの課題は、「Slack*1に投稿されたワークフローの番号を自動検知し、当該プロセスへのリンクをスレッド形式で投稿するbotを作成する」というものでした。
弊社は稟議を「Questetra(クエステトラ)」というツールで管理しています。つまり、OJTで与えられた課題は、Slackに投稿されたそのQuestetraの稟議プロセスのナンバーを検知し、Questetra上の稟議ページへ一発で飛べるリンクを勝手に返してくれるbotを作ろう、というものでした。
このbotが出来ることで、稟議のナンバーをコピーしてQuestetraに移動し、検索窓にペーストして内容を確認する……という手間が省けるようになります。
SlackからURLをポチっとクリックするだけで、Questetraの稟議まで一息に飛べるようになりたいのです。
この課題を聞いた時点では、正直「何が何やら……」という感情でいっぱいで、困惑しきりでした。
何から手を付けたらいいのかも分からない状態です。
ですが、やらない訳にはいきません。OJTのトレーナーの方も、私がプログラミングを得意としていないことを伝えても「まあなんとかなるんじゃないかなあ」という風におっしゃっていたので、「じゃあ、やってみます」という感じになり……晴れてSlackのbotづくりが私のOJT課題になりました。
正直、私はPE課がプログラミングをする機会が多い部署だとは知らずにOJTを開始しました。
業務改善を行う課だとは聞いていたのですが、その手段を知らなかったのです。
しかし、こうなったのもご縁です。この際、プログラミングをモノにしてやろう、と心を決めました。
ということで、私のPE課でのOJTの目標は、「PE課の業務内容を体験し、理解し、その意義を知る」、そして「プログラミングと和解する」の二点となったのでした。
実際のOJTは
私がプログラミングに親しめていなかったことは既述の通りですが、最初に結論を言うと、botは出来ました。
OJT中はプログラムのスクリプトを書くことがメインの日々となりましたが、得意でないと思っている作業に取り組み続けるのは楽なことではありません。
それでも私は、botを動かせるスクリプトを作るよう、2か月間プログラミングに向き合うことが出来たのです。
では、なぜ私はプログラミングに向き合うことが出来たのでしょうか?
それは何よりも、環境に支えられていたから、と言えるのではないかと思います。
前提として、今年度のサーバーワークスはリモートワークがメインです。当然OJTもリモートで行われました。私がPE課でのOJT中に出社した日は一日(!)のみです。
そのような状況下で行われたOJTにおいて、私のプログラミングを支えた環境はどのようなものだったのか、その一部をご紹介します。
その日やることを毎朝確認
プログラミングビギナーの私にとっては、そもそも「やるべきことが分からない」という状態でした。
「やるべき作業をしている中で分からないことがある」という状態よりも、さらに手前のレベルです。
しかし、OJT中は、毎朝トレーナーの方(OJT中は各人に一人ずつOJT先の部署の先輩社員の方がトレーナーとして付いてくださいます)とリモートで会話をし、昨日からの進捗と当日やる作業の確認を行う時間が設けられました。
この時間があったおかげで、今日はなにをすべきなのかを把握して、一日を始めることが出来ました。
リモートという環境下で、プログラミングド素人が「やらなければならないことを自分で探す」状態に置かれると、本当に時間を無駄に費やしてしまいます。
毎朝必ず話し合う時間を設け、その日一日の指針を提示していただくことで、作業内容を明確にすることが出来ました。
remoというコミュニケーションツール
フルリモートで業務が行われている中、サーバーワークスはremoというコミュニケーションツールを導入しています。
複数人が会話できるコミュニケーションサービスという点では他のものとあまり変わらないように思えるかもしれません。
しかし、remoはいつでも開かれており、ログインしてテーブルを選ぶことで誰かと同席しているような気分になれる、という点に特徴があります。
Meetやzoomのように、「○○時から誰々を招待して~」といったことはせず、ふらっとログインして、行きたいテーブルに行くことが出来る、ちょっと「緩い」コミュニケーションサービスと言えます。
remoの詳細に関しては以下の記事もご参照ください。
私はPE課でのOJT中、このremoを大いに活用しました。
まず、remoにログインするためのURLは恒常的に存在しているため、質問などが浮上した時点で集まるべきURLを作成する必要がありません。「remoに来てほしい」という旨を伝えるだけで事足ります。
また、テーブルを選ぶだけで会話に参加できるため(会話が出来るのは同一テーブルに属している人のみ)、「ふらっと立ち寄る」「特定でない誰かとの偶発的な会話が発生する」といったイベントが起こりやすくなります。
私は、質問が出来た場合、まずはトレーナーの方に伺っていましたが、このremoを通じてたくさんの方々から様々なアドバイスを受けることができました。
こちらから意思表示をしなくても色んな先輩社員からお声がけいただくことが出来たのは、サーバーワークスに困っている人を放置しない文化があり、その上でremoが導入されたからこそだと思います。
誰かの行為を称賛する文化
PE課では毎週課会が開かれますが、その課会では、トレーナーの方から「私のここがすごい」を言っていただく機会が設けられていました。
このコーナー(?)があったために、私には働いているだけで毎週人前で褒められる機会がありました。
そもそもなのですが、社会人になってから人前で褒められる機会は、そうあるものではありません。
私は褒められて伸びるタイプなので、毎週褒められる機会があったPE課でのOJT中は有頂天になりつづけることができましたし、それは分かりやすくモチベーションに直結しました。
もちろん力不足を実感することは日常的にあります。
しかし、「あ、自分のアレって良かったんだ」という発見は、他者目線でないと分からないものでもあります。
そのような気付きは、新鮮ですし、刺激にもなりました。
以上のような環境があったからこそ、私はモチベーションが途切れることなく、苦手だと感じていたプログラミングに取り組み続けることが出来たのではないかと考えています。
そして、これはIT基礎研修のときから感じていましたが、弊社はフルリモート前提で新卒を迎えるという前例のない機会の中にあって、とりわけ「働く環境の整備」や「コミュニケーションをする機会の創出」に気を遣っていたように思います。
フルリモートであっても、そのような環境で新卒一年目を迎えられたのは、大変幸運だったように思います。
振り返って
はじめはどうなることやらと思っていたPE課でのOJTでしたが、フルリモートであっても上記のような環境があったことで、無事botを完成させることができました。
私が作成したbotは「キョロちゃん」と命名し、日々Slackで活動してくれています。
弊社はQuestetraを略して「クエ」と呼んでいるのですが、「クエッ」といえば某名菓のキャラクターの鳴き声ですよね。
Questetraの番号を知らせてくれるbotということで、その名菓のキャラクターをお借りして「キョロちゃん」と命名したのです。
あんなに不安に感じていたプログラミングでしたが、やってみたら大変楽しく、また学びのある作業でした。
botを作成できたことでプログラミングに対する手ごたえを感じ、休日でも少しPythonの復習をしてみたりするようになるという変化もありました。
プログラミングとは、無事和解することができたのです。
botを導入することで業務の工程を簡素にする、つまり「ITの力で働きやすい環境を作る」という考えは、サーバーワークスの「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」という理念に通じる発想でもあります。
PE課でのOJTは、苦手意識を抱えていたものを克服し、会社理念を体感することが出来た経験となりました。
*1:弊社が活用しているビジネスチャットツール。業務上のやり取りは基本このSlack上で行われる。「Slackを制する者はサーバーワークスを制す」と言われた記憶があるような無いような……。