本記事は、広くIT業界を見ており、サーバーワークスに少し興味が出てきた就職活動中の人向けの記事です。
特に、「サーバーワークスの新卒研修について知りたい!」という方だけではなく、「IT企業を見ているけど、文系だから不安……」という方にも読んで欲しいです!
こんにちは!24卒の石田です。
前回、サーバーワークスの環境についての記事を書いてから、約2か月が経過しました。
今回は、入社時から受けていたIT基礎研修について、「IT初心者」の立場から色々書いてみようと思います。
※ IT基礎研修の内容は、前年度を踏まえて年々内容が更新されていきます。
※ IT基礎研修は新卒研修の一部であり、この記事が研修の全貌を記しているわけではないことにご留意ください。
筆者の簡単な自己紹介
- 4年制大学の文学部を卒業後、サーバーワークスへ入社
- 大学では「レポートを書くためにWord触った」くらいしかアプリを活用したことがない。
- 「何もしてないのに壊れた」になるような、ゴリゴリのIT初心者
(「何もしてないのに壊れた」は、何かしてしまっていることが大半なので、多くの場合は言わない方が吉だと学びました。本当に何もしていないのに壊れている(上手くいかない)ときは、PC側の機嫌が悪いので時間が解決するのを待つしかありません。)
「IT初心者」の度合い
さて、本題に入る前に「IT初心者」について少し触れておきたいと思います。初心者とひと口に言っても、その程度はさまざまですからね。
例えば私は、上記に記載した通りWordしか使ったことのない目も当てられないような状態です。しかし人によっては、「趣味でプログラミングをしている」「色々なデータ管理アプリを使っている」「ITパスポートを取得できるくらいの知識はある」等、IT(Information Technology)の一端を日常的に利用できるような状態を含めて、「IT初心者」としています。
つまり、まっさらな状態の初心者と、入門はしている初心者とが混在しているわけです。
これがわかった時点で、ゴリゴリの初心者である私は「自分が一番下なんだなぁ」というかなりネガティブな心持ちで研修に挑むことになりました。加えて、技術職で入社している同期も同じ研修内容を受けることになっているので、そもそも「ついていけるのか?」という不安以前の疑問すら抱きました。
暗いことばかり書いていますが、研修を終えた今としては「そんなに気にすることなかった」と思っています。先んじて述べておきますね。
IT基礎研修とは
さてここからは、4月の私が震えながら挑んだ研修の内容について触れていきたいと思います。

概要
- IT基礎研修とは、IT技術全般に共通するような知識の下地を作ることを目標にした、約3ヵ月にわたる研修のことである(おおよそITパスポート~基本情報技術者試験に登場する語彙について、一定以上の理解が得られる程度の難易度)。
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
試験要綱・シラバスについて | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
- 週毎に定められたテーマについて、3,4人のチームでインプット、成果物の作成をし、毎週金曜日にその成果を発表する。
- これを9週間繰り返したのち、最終第10週では、個人でインプット・成果物作成・発表をする。
- 成果物を作成・発表する過程における、適切な情報の取捨選択の仕方や、チューターと呼ばれる先輩社員との適切なコミュニケーションの仕方(頼り方)を学ぶ研修でもある。
この点にフォーカスして、「IT基礎研修の奥深さ」を書いた記事もあります。研修期間中に同期が作成したものなので、より肌感が伝わる記事になっております。
こちらも是非チェックしてみてください。
sabawaku.serverworks.co.jp
研修中の一週間
上記が研修の大枠になります。よりイメージと感覚が伝わるように、少々具体的に、実際に経験した一週間の動きを見ていきたいと思います。
- 月曜日
新しいテーマとキーワードが与えられ、チーム編成・担当チューターが変わる。一週間のスケジュールや、チーム活動の指針などを話し合いなどで決める。
テーマ
金曜日の発表のテーマになるもの。
ハードウェア(パソコンを構成するモノ)に始まり、ネットワークの仕組みやセキュリティまで、広く基礎的な内容になる。キーワード
テーマを理解するための道標となるような語。
このキーワード群を中心に知識を身に付けていく。チューター
一週間ごとに変わる、そのチームの担当補助をしてくださる先輩社員。
役職や経歴は多岐にわたる。
- 火曜日
決定したスケジュールをもとに、各自でインプットしつつ、成果物(大半がスライド形式のデータ)の構成について話し合う。 - 水曜日
スライド作成に着手。おおよその流れに沿って内容を埋めていき、インプットした情報に間違いがないかを、チームメイトやチューターと共に確認していく。 - 木曜日
発表資料の確認。発表練習(チューターに見てもらうことが多い)。 金曜日
発表当日。午前中に発表練習や、チーム内で最終確認をする。活動は主にovice(バーチャルオフィス)で行われる。発表にはGoogleMeetを使用。
ovice|約4,000社の導入実績 - 仮想オフィス(バーチャルオフィスプラットフォーム)
他のタスクやミーティング、GWの影響で日程がずれることもありましたが、多くはこのような流れになっていました(もちろん、チーム編成によっては進め方が異なることもあります)。
テーマは基礎的なものが多いですが、チームや個人単位では、実際にAWSを触ってみたり、研修で構築した環境を用いて成果物を作成することもありました。
初心者はまず知識を身に付け、知識のある者は実際に動かしてみる。そして初心者も一緒になって、実践のイメージを掴むことができるような現場であったと認識しています。
研修を受けて
さて、IT基礎研修中の動きについて見てきたところで、ITゴリゴリ初心者の私が研修前後でどのように変化したのかを書いていきます。
意識面について
研修前は、先に述べた通り「ついていけるのかな……」という不安を主軸に、色々なネガティブにまみれていました。
しかし研修を進めていく中で、同じ初心者の同期と励まし合ったり、経験者の同期や先輩に支えてもらったりしながら、だんだんと自分の「初心者」という属性をポジティブに受け取れるようになりました。「変に癖がないから、何でも吸収し放題だ!」と笑。
また、経験者の同期と同じスタートラインに立たせていただけたことで、「初心者だからまだ~するのは早いかも……」という不安や、「知らなくても仕方ない」という勉強に対してマイナスに働くような意識は全く発生しませんでした。
一週間で発表するというスピード感のあるスケジュールの中で、「とにかくやるしかない!」と割り切れたことも大きいかもしれません。
研修全体の内容として、実務に直接は関係しない部分まで手を伸ばしてしっかり勉強する機会を与えていただけたことで、実際に触る技術がどのような技術の下で成り立っているのか、という実務で扱うサービスの理解に繋げることができると感じております。
ITの知識・技術について
正直、まだまだ初心者です!しかし、経験者と言えるようになるための下地は身に付けられたと実感しています!「ITに入門しました!」とは胸を張って言えます。
具体的にどのくらいかと言うと、覚えた内容で何か作れないか、PCを使いやすくできないかと、自分なりに調べてコマンドを叩いてみたり、AWSのサービスを使用して遊ぶことが楽しいと感じられる程度には成長しました。Wordくらいしか使えなかったことを考えると大成長です。
(そして、SNSで見るITネタで笑えるようになりました。これも大きなことです。)
なにより、何がわからないかがわかるようになり、自分で必要な調べものができるようになったことが一番の成長だと感じております。
課題
さて、あまりプラスのことばかり書いていても信憑性に欠けると思うので、ここからは研修中に感じた、今も残っている課題について大きく2点ほど述べていきます。
第一に「インプットとアウトプットのバランス」が挙げられます。知識を身に付け、それを資料にまとめて発表するという作業を一週間で行う(この間には他のタスクもある)という流れの中では、どうしても「発表すること」に焦点を当ててしまう週が多かったと反省しています。 インプットにはキリがありません。しかし、アウトプットには期限がある。何が最適解か?それをどのようにして決めるのか?など、場合によって左右される要因もあり、解決は非常に難しいです。
第二に、「チームでの活動」が挙げられます。チーム編成によって、これもまた最適解が変わります。これについて書くと長くなってしまいそうなので大部分は割愛しますが、チームメイトの個性を殺さないようにしつつ、「チームとして動くこと」が難しかった、とまとめることができそうです(ひどく抽象的で申し訳ない)。
このどちらも難しい問題であり、実務に移行してからも付いて回る悩みになりそうだと思っています。
しかし、ここで私が言いたいのは「大変だった」ということではなく、早い段階でこの種の類に悩むことができて良かったということです。
繰り返しになりますが、これらの課題は、期限のある仕事にチームで取り掛かるような社会人である限り、長く付き合うことになると思います。入社3ヵ月の段階で悩むことができたということは、つまり残りの時間を課題解決に充てることができるということでは?と楽観視してみてもよいのではないでしょうか。
まとめ
長くなりましたが、ここまでIT基礎研修の内容と雑感について書いてきました。
IT基礎研修では、IT一般の知識だけでなく、他者と共に活動する仕方も学ぶことができました。私のような初心者でも臆せず取り組むことで、ITに関する一定以上の知識と好奇心を養うことが可能だと感じます。
さらに、実務を先に見据えた視点を持つことで、より多角的に日々の活動を観察・分析し、業務に通底する考えを発見することもできると思います。
不安を感じている未経験者の方々へ、少しでも抵抗感を取り除くための一助になれば幸いです。
石田裕菜
趣味は映画と音楽とドラゴンボールです