HR課の倉田です。
サーバーワークスで働いているメンバーが
「どんなことをしているのか?」
「どんな思いをもって働いているのか?」
そんな部分に焦点を当てながら紹介していくインタビューです!
今回は、2022年度より新設されたトレーニング部門である「アプリケーションサービス部 インターナルエデュケーション課」課長の鎌田 裕樹さんにお話を伺いました。
【鎌田 裕樹(かまた・ひろき)】2016年2月入社。アプリケーションサービス部 インターナルエデュケーション課の課長として、自らカリキュラム作成やトレーナー業にも関わりながら、エンジニアの採用活動も担当している。「認証認可おじさん」「Windowsおじさん」など多彩な二つ名を持つ。鉄道・ピアノなど趣味も幅広く、全方位に引き出しが多いことでも社内で有名。
(インタビュアー:倉田)
「相手」のいる仕事を続けたかった
ー 本日はよろしくお願いします!まずは、これまでのご経歴を教えてください。
鎌田:サーバーワークスにジョインする前は、仮想化基盤の構築プロジェクトやVDI(仮想デスクトップ)の導入プロジェクトで技術リードやプロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャーをしていました。 前職がいわゆるお客様先に常駐するパターンの仕事の仕方だったこともあり、もう少し自社に腰を据えて働きたいと思い、今後のキャリアについて考えていました。そんなところにたまたまサーバーワークスからのスカウトがあり、前任の人事の方とカジュアル面談でお会いしたのがきっかけです。
「自社に腰を据えて仕事をしたいが、一方で顧客対応とも離れたくない。そうなると事業会社ではないが、これを実現できる会社ってあるだろうか?」と転職先を探す中で、サーバーワークスの環境がドンピシャだったこともあって、入社を決めました。
ー 顧客対応をしていきたいという思いがあったために、転職先は事業会社一択ではなかったということなんですね。
鎌田:自社のサービスだけ取り扱っている環境だと、自分たちの会社の中に閉じてしまう面があると思っています。お客様などの「相手」がいる中でやりとりをしながら仕事をしていきたかったんです。
これまでの経験で、入念に事前準備をしてから顧客と打ち合わせをした後に「こちらの求めていた通りのことを話してくれた」というフィードバックをいただけて嬉しかったという体験が何回かありました。自分自身が「相手に対して何かをする」ことに向いているんじゃないかな、と思ったということも大きかったですね。
「育成の人」として、新チームのマネージャーに抜擢
ー 入社後から現在の部門での業務に至るまでの経緯を教えていただけますか。
鎌田:入社後は設計・構築の部署で、様々な案件に携わりました。プログラムの開発からLinux/Windowsのサーバー構築、ネットワークまで、エンジニアの各種業務領域を経験しているので、社内でもだいたいのエンジニアと技術の話が合うかなと思っています。事例として公開されるプロジェクトにも関わりましたが、主に「Windows関連に強い人」という印象が強い方が多いでしょうね。
プロジェクトでの成果などもあり、2018年からクラウドインテグレーション部(設計構築を担当している部門)の課長に就任しました。 初課長としてのミッションの一つにメンバーの育成があったのですが、チームとしての成果も出て、それ以降は社内に「育成の人」というイメージも伝わっていったかなと。
その後「短期間で集中的にトレーニングを実施し、成果を出すチームを新設部門として作れないかと考えている」という話を受け、 2022年の3月からインターナルエデュケーション課(以後、IE課)の課長に就いています。
インターナルエデュケーション課というチーム
設立の背景
ー IE課という部署が生まれた背景を教えていただけますか?
鎌田:当時、クラウドインテグレーション部という設計・構築を行う部隊の課長を務めていたんですが、実務と育成のバランスに悩んでいる状況でした。会社がスケールしていくにあたり、案件の質も変わっていく部分がある中で、どうしていったらいいかという課題がありました。 その解決策の一つとして、育成にフォーカスした部門が出来たという経緯です。
クラウドは「小さく始めて、大きく広げていく」というやり方をするので、私たちが最初に入るプロジェクトもやや規模の小さいものが多いという特色があります。そうすると、お客様との調整もやれば設計構築もやるといったように、1人のエンジニアが対応しなければいけない範囲がどうしても広くなります。
そこを1から教えていくとなかなか時間もかかるし大変だということで、設立されたのがIE課です。
課の名前を決める時も「エンジニア」という単語を入れるかどうか、話し合いました。「この課が対象とする範囲ってどこまでなんだろう」ということを一番最初にみんなで議論しました。「将来的に幅広く会社の育成に関わるなら『エンジニア』には限らない。内部の育成にコミットするのが大事で、それが名前からイメージできるものにしたい」という結論になりました。略した時に2文字で読みやすいかどうか、というところもポイントだったりします。
チームの構成
ー IE課のチーム構成を教えてください。
鎌田:チーム構成としてはトレーナーが4名、トレーニーが8名です。(※1)
普段は社内の他の部署と同様に、リモートでSlackでのテキストコミュニケーションやGoogle MeetなどのWeb会議、oViceというバーチャルスペースを使い分ける形でコミュニケーションを取っています。
大変な点/楽しい点
ー 現在の業務の大変なところと楽しいところはどんなところでしょうか。
鎌田:大変な点ですが、中途で入社したメンバーはそれまでの経験やスキル、得意・不得意が全員違うので、トレーニングの仕方も個々に合わせていく必要があるところです。
例えば設計構築といっても、ネットワークのことは知っているけどサーバについてはよく知らないという場合もあれば、逆の場合もあります。入社するメンバーによって、IE課でトレーニングする上での前提がばらけます。個々のメンバーによって、どんな風にトレーニングを組み立てるか、都度判断しています。
楽しいと思うのは、トレーニングを受けたメンバーが「自分がこの会社でどのようにして価値を出せるか」を見つけて、走り出していくのを見る時ですね。なので、「気づきを与える話し方」を大切にしています。
ー 新しいメンバーがサーバーワークスでの仕事の仕方を学んで「自分はこんな風に活躍していけそうだ」と気づいて動き出していけた時、ということですね。教える側の冥利に尽きますね。
成果を出すために取り組んでいること
ー チームで成果を出すために気をつけていることや大切にしていることを教えてください。
鎌田:トレーナー陣は理想と現実の狭間にあるタフなコミュニケーションも多いです。だからこそ、普段は業務のことでもそれ以外でも、本音ベースで話をしていくのが大事だと考えています。
なので、コミュニケーションは「密度」より「回数」を多くすることをベースにしています。たくさん話すことで「この人はどんな人か」が分かってくるからです。知らない相手とはなかなか相談しづらいので、話せる場を用意して、会話できる機会は作る。相談されてすぐ会話したいとなったら、可能な限りすぐ相談に乗る、ということをやっています。
メンバーが「ちょっと相談したいことがある」「ちょっと会話したいことがある」となった時に対応できるようにしていこうということで、バーチャルスペースのoViceにも可能な限りログインするようにしています。
カリキュラムの内容ですが、トレーニーにはなかなかきついメニューを課していると思っています。「なんでこんなことをやっているのか」を伝えるのもコミュニケーションの1つだと思っています。トレーナーからトレーニーへは時に厳しいことも言いますが、だからこそ何かあった時に相談がしやすい関係性作りというのを心掛けています。
そういう話をしていると話がわき道にそれることも多いんですが、そうなった場合も敢えて修正はしない、ということも気をつけています。 脇道にそれた話でも、そこに本質はあるかも知れないし、もしかしたら本題と関係あることかも知れない。今関係ない話だと決めつけずに、議論してみます。
ー 確かに、私のような別の部署の人間から見ても、IE課ではざっくばらんなディスカッションも多いなという印象です。 他にトレーナーの皆さんに気をつけてもらっていることはありますか?
鎌田:「トレーニーを支えるのはトレーナー『陣』だ」ということですね。トレーニーにはそれぞれ担当のトレーナーが付きますが、「トレーニングは担当しているトレーニーだけを見るのではなく、トレーナー陣としてトレーニー全員の対応をしよう」ということはトレーナー陣へ伝えるようにしています。
トレーナー各自、トレーニング以外の持ちタスクもある以上、担当トレーナーがいつでも反応できるとは限りません。 担当トレーナーではなくても分かることなら回答したり相談に乗ったりしようと、トレーナー陣へは伝えています。トレーニーを育成するのは担当トレーナー1人だけではなく、トレーナー陣全員なので。
ちなみに、期初に作成したIE課でのトレーナールーブリック(トレーニングをする上でどんなスタンスが望まれるかを言語化しているもの)には「トレーナー陣」という言葉をあらゆるところに記載しています。
ー ここまでお話いただいたチームでの心がけに関して、トレーナー陣からのフィードバックが来ることもありますか?
鎌田:めちゃめちゃありますよ(笑)。これは違うんじゃないか?とか、もっとこっちの方がいいよ、とか。
フィードバックは色々出ますが、1つこだわっているのは「私がこう思ったから、皆もこれがいいとは思わないでね」と、「マネージャーの意見を否定することをためらわないでね」と伝えていることです。
ー トレーナー陣からのフィードバックも受けながら、ブラッシュアップをしていっているんですよね。コミュニケーションへの配慮をとても重視されているのが伝わるのですが、そのような鎌田さんの育成スタイルにはどんなバックボーンがあるんですか?
鎌田:これまでのキャリアで自分自身が関わった過去の上司のやり方を「いいとこ取り」しています。
私のモデルは大きく分けると2人いて、1人は楽しく仕事をできるような空気づくりをすることが得意な方、もう1人は然るべきタイミングで空気をピシッと引き締めるタイプの方でした。
マネジメントに初めてチャレンジした時に言われたのが「リーダーであるなら自分から動いていけ」という言葉でした。 チームメンバーなど「リーダーを見ている側」からすると、リーダーの動きが見えなければ自身がどう動けばいいか分からないんですよね。
それらをベースに、「自分ならこの場面ではこう決断して、こう動くだろうな」というものをミックスしています。
ー 口だけではなく、実際に自分で動いて見せるのが大事ということですね。
「強いエンジニア」を育てられるメンバーの育成を目指して
ー 鎌田さんがこれからやっていきたいことを聞かせてください。
鎌田:「育成できるメンバー」の「育成」です。ある人がある成果を出しても、人が変わった時に同じ成果を出せないと意味がないと思っています。なので、育成をできるメンバーを作り出していくことですね。
好きな言葉に「人を遺(のこ)すを上とする」というものがあります。30歳くらいの頃、一番難しい仕事とは何だろうか?とふと考えた時に、この言葉に出会いました。
野球で監督をされていた野村さんがよく使っていた言葉(※2)でもあるんですが、仕事の難しさを上中下で分けた時に一番難しいのは「人を後に遺すことだ」ということなんですね。
仕事で一番難しいことは、「人を遺す」こと。ある誰かが残した功績より、功績を遺せる誰かを育てることです。とても難しいですが、だからこそ挑戦する価値があると考えています。
社内でトレーニングをしたメンバーには、自分自身で技術を語れる、プロジェクトも取り仕切れる、いいとこどりのメンバーであってほしい。それが「強いエンジニア」だと思っています。
技術も分かっていてプロジェクトも回せれば、いわゆる何でもできるエンジニアになります。そういう人が会社の中に増えてくれば、できる仕事も増えてくると考えているので、1人でも多くそういう人を生み出したいです。
ー IE課としての今後の展望はありますか?
鎌田:まだ今年に設立したばかりということもありますが、今は受け入れ対象の部門がある程度限られています。 まだ色々な人を受け入れるのが難しかったところがあるので、受け入れ対象の部門を社内で広げていくのが今後のステップと考えています。
ーこれからまた対応領域が広がっていける可能性があるということですね。改めて今日は色々なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
※1:2022年11月時点。今後、随時変動あり。
※2:プロ野球選手・コーチ・監督・解説者などとして長年にわたり野球界で活躍した野村克也氏。
◆鎌田さんが書かれた、インターナルエデュケーション課でのトレーニングカリキュラムに関しての記事もぜひご覧ください。
編集後記
たくさんのお話を伺いましたが、どれも根底に通ずるのは「相手(人)を慮ったコミュニケーションを非常に大切にされている」ということでした。鎌田さん自身のキャリアの中で出会ったリーダーからの学びと、ご自身のエッセンスを融合して今のチームに還元されているという過程を垣間見た気がします。今後のインターナルエデュケーション課の発展が楽しみです。