元からテレワークが当たり前だった会社がフルリモートになって変わったこと

記事タイトルとURLをコピーする

f:id:swx-matsumoto:20210714225647p:plain

技術2課のタムラです。
最近、SA Proに続き SS Pro (サウナ・スパ プロフェッショナル)という資格を取得しました。
インドアを強いられるような滅多にない機会やそこで生まれた時間を活用し、通常だったら取り組まなかったであろう趣味の追求もいいかもしれません。

はじめに

現在、COVID-19(新型コロナウィルス)の影響を受け在宅勤務を強いられています。

サムネイルは懐かしい8年前の2012年5月21日に家のベランダから私が適当に撮った金環日食の際の写真です。この写真だと微妙ですが、ほんわりと見える太陽のコロナに外観が似ているので〜という理由でコロナウィルスと名付けられたのだそうです。(更に太陽のコロナもラテン語で冠を意味する言葉やら、リースを意味する古代ギリシャ語のκορώνηが由来だったりするらしいですが) この混乱で言葉本来の意味は失いたくないものですね。

サーバーワークスでは2020年02月17日から在宅勤務が推奨され、やむを得ない場合等を除きオフィスやらお客様先へ移動しないような取り組みをはじめ早3ヶ月が経過しました。

過去にインフルエンザの社内パンデミックという苦い経験をしていたこともあり、割と早い段階からオフィスでも出入り口にアルコール消毒やらマスクも設置され、在宅勤務が推奨されたり、出張を取りやめたり、一箇所に密集して集まらないような施策をしたりと、やむを得ず出社しなければならない人達を守るためにも不要な出社をしない・させないという決断を速やかにできていたように感じます。

皆さんの会社ではどのような変化があったでしょうか?

今回、「急激な環境変化に適応すべくITを駆使してこう変わりました!」みたいに映える題材ではないのですが1クールの節目ということで、元からテレワークが当たり前だった会社における変化についてお伝えできればと思います。

■通常時(Before COVID-19)

まずは変化を語る上で通常時についてです。

仕事をする場所

ざっくり以下3つから選べます。

  1. オフィスに出社して勤務
  2. クラウドワークスタイル
    (どこで仕事しても良いテレワークの社内制度)を活用してオフィス以外のどこかで勤務
  3. 定常在宅勤務

コミュニケーション

サーバーワークスでは同じ課やチームでもメンバーは色々な場所に散っています。
例えば私は東京ですが上長は長野ですし、その一つ前は大阪でした。偶然もありますがペアで一緒に仕事するメンバーも東京以外の方が多いぐらいでした。普段のラフなコミュニケーションはSlackで、文字で伝え/伝わりづらかったり会話の方が効率が良い場合はリモートで口頭で会話したり〜が基本です。
中にはTrelloカードを移動することでコミュニケーションを図るタイプの いや、やめておこう・・・

ちなみに私は、東京オフィス在籍なのですが基本的にオフィスに出社したい派の一人です。単純に環境が良いからというのが理由です。東京オフィスはフリーアドレスで、かつワイワイガヤガヤするスペースから徐々に静かなエリアにグラデーションで遷移していくようなレイアウトになっています。目的別にエリアが分かれているのでその日の気分で自由に選べます。私は基本的にコンセントレーション・エリア(通称:集中エリア)という文字通り原則私語禁止で静かに集中するような区画で音楽でも聴くか耳栓でもするなりしてモクモクと自分のペースで作業するのが好きです。

f:id:sabawaku:20201002110017p:plain

そんな感じでオフィスはエリアによっては終日静かなので、オフィスに仕事にいくというより、“図書館に作業をしに行くような感覚”で出社できるようになったという点は、joinしてからお気に入りポイントのひとつだったりします。

かといって会話をしないというのもオフィスへ行く価値が半減してしまうと思っているので、お手洗いついでとか集中切れた時とかに「用がなくても定期的に話せるスペースに意図的に寄る」というスタイルでバランスをとってきました。

リフレッシュルームという唯一食事が可能で憩いの場みたいなスペースがあるのでそこで休憩したり、その場にいる人と雑談したり、コーヒーをハンドドリップしてみんなで飲んだり、
ダンベルが置いてあるのでハンマーカールやったり、業務後に集まってお酒飲みながらアナログゲームやったり...etc と文字通りリフレッシュのために活用しています。

クラウドワークスタイル制度の活用

 そんなオフィス大好き勢である私の場合は、クラウドワークスタイルという制度ももっぱらメリハリのために活用してきました。よくやるのは週の真ん中あたりに1日か2日か意図的に在宅勤務する日を作るといった具合です。その日前後は移動時間がない分、例えば長めに睡眠とったり、早く起きて何かやったり、夕方ぐらいに早めに切り上げて混雑前のフィットネスジムで運動したりと、平日5日という週の中でも"ちょっとしたリズムの変化"を自分の裁量で意図的に加えることができます。

過去の職場は、平日5日間 同じ固定席で9:00、12:00、15:00、18:00とかにチャイムが鳴り響くようなオフィスで私の場合、その一定のリズムでの働き方にマンネリを感じ、週の後半に異様に疲れたり日曜の夜とか月曜日の朝が憂鬱な気分になることが結構あったのですが、そんな職場でも週の中に祝日があるような時は訪れる訳で、その際に祝日前後の平日が異様なくらい仕事が捗ったりする感覚も覚え、そこで「メリハリを付ける」とか「リズムを変える」ということが自分にとっては良い影響を及ぼすものなのかもしれないという気付きがあり、それをサーバーワークスにJoinした後にうまく社内制度を活用して実践できているといった感じです。

■例外時(With COVID-19)

それでは、本題の例外時(在宅勤務を強いられてから)の話です。

個人に起きた変化

オフィスが恋しい

自分は誰とも会話しなくても割と大丈夫なタイプの人間(ちょっと暗い...)ですが先述の通り、メリハリをつけたり気分転換を兼ねてオフィスに行っていたということもあって、ずっと家に引き篭もって作業というのも視野が狭く低く?なるような感覚を覚えました。
今思うと、廊下とかですれ違った際にちょっと会釈したり、生産性ゼロな話題で談笑するだけでも意味はあるんだなと感じます。上の文章を書きながら既にオフィス行きてえっってなってます。

従来のストレス発散ができない

これは会社やら業務云々とはちょっと外れますが 自分は仕事がインドアで身体動かさない分、それ以外の時間は逆に外の空気吸ったり身体を動かしたい派なので週を通じて通勤時間もなくなり自分で意識しないと歩いたり運動する時間がなくなったり、そもそも愛しのフィットネスジムも閉鎖されてしまいウェイトトレーニングができなくて困っています。 マッスルメモリーはあるので復活できると信じつつもストレス発散も兼ねているので長期に渡るとつらいものがあります。

オフィスへの通勤時間も外の空気が吸えるし、歩いて移動もするので何だかんだで気分転換になっていたんだなと知りました。(混雑した電車はちょっと嫌ですが)

でも悪いことばかりではない

  • 移動時間を何かの時間に使える(それが今後の人生を左右する気もする...)
  • 布団を毎日干せて気持ちよく寝れる(晴れの日限定...)
  • ニンニク料理を周り気にせずにたくさん食べれる (私好きなんです...)

会社で起きた変化

原則テレワーク(フルリモート)へシフト

 先にも書いたとおり、意図的に対面でやっていたあれこれがリモートに置き換わりました。

企業が頭を悩ます代表電話は、社内では既に Amazon Connectに切り替わっていたのでただ受け取る際の場所が変わっただけのようです。

blog.serverworks.co.jp

朝の週次定例会がフルリモート

 週のはじめに全社員集まって Google Meetで朝会をやっています。過去に太田がテレワーク・デイズでの一週間についてblogを書いていますが、ただこれを定常的にやるようになりましたというだけです。

sabawaku.serverworks.co.jp

期のキックオフ

 期の変わり目に実施する全社員集合の機会です。この時ぐらいは全社員で集まって美味しい食べ物やお酒でも囲んでコミュニケーション取ろうよという思いから従来では東京オフィスか周辺の会場に全員現地集合してやっていたのですが、今回はやむを得ずYoutubeライブを利用したキックオフになりました。

採用

  • 新卒向け会社説明会
  • サバノミソニ(中途向けの会社説明会&交流イベント)
  • 新卒/中途の採用面接

こちらの各イベントがフルリモートでの対応に切り替わりました。
ありがたいことに採用関連がフルリモートになってから、むしろ会社説明会への参加者やエントリーが増えており、社内では面接官を増員したり体制を強化したりして取り組んでいます。という訳で、私も面接官になっちゃいました。

そこで、他社で説明会やら面接等の選考自体が延期されてしまったとか、キャンセルになってしまったとかの苦労話は聞いていたのですが「リモートで面接の機会を貰えるだけでもありがたい」と言われた時は心が痛むというか大変な状況なんだと再認識させられます。

いつかあの時は苦労したよという笑い話ができる日がくると信じ、なんとか乗り越えて欲しいと思うと同時に、こんな突然リモートでの就職活動を強いられながらも環境に適応し、前を向いて頑張っている優秀な学生さんに選ばれ続ける会社で有り続けなければなと感じました。

入社式

 今年の新人達は自宅からリモートで入社式を迎えました。 話によると入社前に何度かオフィスに来たことがある程度で入社式からずっと自宅で勤務し、研修もフルリモートで実施しています。 (研修で利用する書庫やら希望者にはオフィスの外部ディスプレイを送付したりの物理的な対応もしつつですが)

新人研修

 私はそのうちの一人の「メンター」という気軽に相談できる先輩みたいな立場でもあるのですが、対面とリモートでは得られる情報量が明らかに違うので、実際に会ったことがない人とずっと画面越しに話していても、相手に気持ちが正しく伝わっているかとか相手の気持ちを正確にキャッチできているかという不安は常にあり、その差を如何に埋めるかのアプローチはこれからの自分の課題かなと思っています。
(対面が光学ファインダーだとしたらリモートは電子ファインダー、それ以上の差かもしれない...)

在宅勤務の体制になってから全社員に向け、在宅勤務での問題有無や改善点を吸い上げる目的のアンケートが月1ペースで取られるようになったのですが、先日1on1した際にそのアンケートにある「オフィス勤務の頃と在宅勤務になってからは一体何が変わったんですか?」という目が覚める質問を受けました。本人は自宅での在宅勤務しかしたことがないので、逆にオフィス勤務やどんな変化があったのかが純粋に分からなかったそうです。(ちなみにblog書くからちょっと待っててと伝えました。伝わるといいな)

サーバーワークス チャンネル

 Youtubeで「週間AWS Update」というライブ配信や、過去事例や、はじめてのAWSといった動画コンテンツ等を配信しているチャンネルがあります。ライブの配信時は東京オフィス ANNEXに集まってお送りしていたのですが、ここでもフルリモート配信に切り替わりました。

f:id:sabawaku:20201002110122p:plain

(CM)私も裏方ですがコンテンツ制作に関わっていたりするのでよければチャンネル登録お願いします!

サーバーワークス チャンネル - Youtube

www.youtube.com

続いてリモートコミュニケーションの変化

追求が音質の先、画質へ

サーバーワークスでは、昔からリモートでのミーティングにおいて最低限必要な要素というか一番大切なのは"音質"であると理解しており、各会議室にもJabraのスピーカーフォンが必ず設置されていたりするのですが、それより先を追求すると画質になるようです。
そして更に先はSE(Sound Effect)等のギミック導入になるようです。 #知りませんでした

なので高画質な4kのWebカメラとか買い出したり、撮影用の照明をデスクに設置したり、中には一眼レフをWebカメラ化して良いボケ味を演出しだしたり、代表の大石も拍手音とかのSEとか会議のエンディングによく動画で聞くようなフリーのBGMとか入れたりしています。なんだか皆Youtuberに向かっていっているような...。

雑談Meet部屋の登場

 気が向いた人は誰でも入っていいよ、といった打ち合わせではない雑談系のGoogle Meetの部屋が作られたりしました。話すのが好きでとまらないタイプの人はそこでラジオをやりだしたりもしています。

筋肉体操Meet部屋の登場

 一部の有志で、9:30-40の始業前にGoogle Meetで集まりYoutubeで公開されてる筋肉体操を実施しているようです。その手の大会に出るようなガチな人が先導しているのですが、思っていたより好評です(失礼

ストリーミング配信環境のテストを兼ねたライヴ

  AWSのElementalシリーズを利用したストリーミング配信のAWS検証環境構を利用して、ご自宅のだんぼっちの中から矢野によるウクレレの弾き語りの生配信ライヴがされました。昼過ぎにコーヒーでも飲みながらラジオ感覚で聞くウクレレの音色はほんと癒やされました。(自由な会社だな...)

f:id:sabawaku:20201002110202p:plain

20200512 ウクレレ弾き語りセットリスト

スネオヘアー 「ピント」
くるり 「リバー」
フジファブリック 「茜色の夕日」
the pillows 「ウィノナ」
サニーデイ・サービス 「NOW」
19 「あの紙ヒコーキ くもり空わって」
キリンジ 「スウィートソウル」

リモート飲み会が活発化

 サーバーワークスもリモート飲み会も10年近い歴史...?があるようで(同じ課のメンバーが違う地域に散り散りになっているような組織だからこそ発展してきた文化のひとつとのこと)全員が自宅にいる現在は開催頻度が上がり、一時は毎週のようにどこかの課がやっているような状態でした。課の枠を超えて参加も自由なので私も別の課のリモ飲みに乱入したりしましたが、普段オフィスであまりしゃべる機会がない方とたくさん雑談できて良い時間でした。

直近のリモート飲み会の成果物として「お酒Trello」というボードが出来ました。 種類ごとにレーンが分かれ、おすすめの銘柄がカードとして追加され、細かいジャンルやら特徴はラベルで付与され、「推し銘柄」のカードにはメンバーとして参加することでオススメの共有だけでなく、趣味が合いそうな人がわかるといった仕組みになっています。

Slackでリモートお遊び系チャンネルの出現

  • 夜遊びというチャンネルが出現
    某部長が大富豪やろうぜって言い出して突然作りました。
  • リモート女子会チャンネルが出現
    某課長が突然リモート女子会やろうぜって言い出して突然作りました。男子禁制なので詳細は不明。
    20200518追記: 別エントリーで詳細が明らかに

sabawaku.serverworks.co.jp

Remoの試使用会

色々とリモートでの可能性を色々模索する時期でもあるので、弊社のクリエイティブおじさんこと松本が率先してRemoの試使用会とかを実施しました。

そのRemo会場で部屋に分かれリモート飲み会やらLT大会とかをやったりもしました。たまたま枠があったので私もアナログゲーム部員の一人として「入門ハーツ」という特別LTをやりました。
完全に趣味のトランプゲームの話ですが興味があればどうぞ

続いて社内制度の変化

在宅勤務手当

月2万円の在宅勤務手当がつくようになりました。

ceo.serverworks.co.jp

企業も「出社せずに家で仕事してください」なんて言うだけなら簡単で、個人の家というプライベートな場所を労働環境として一時的に借りて業務をしてもらっている訳ですから、そこで発生する最低限の設備投資やら光熱費やら通信費やら出して然るべきだろうと辛口なことを一労働者として言いたいところですが、企業としてもこの突然な状況の中で活用できないにもかかわらず高い費用を払ってオフィスとかの場所を借り続けていたりもしている訳で、それを思うとなかなかつらいものがあります。。。
(どんな状況でも営利団体の場合、儲かってもらわないと社員の幸せや生活も無い訳ですからね)

そんな中、在宅勤務手当を出してくれたのはとてもありがたいことで、"在宅勤務が強いられる環境で業務が捗るような何か"の投資枠として私も積極的に活用して返しつつ経済も回せればと思っています。

弊社Slackには #ext-my-new-gear という何か新しいモノを手に入れた際に写真つきで投稿して周りに自慢するだけのチャンネルがあるのですが、在宅勤務手当がつくようになってから実際に在宅勤務を快適にする系の投稿がとても増えました。増えたのは大きく3つの分類かなと思います。

  1. 作業環境改善系
  2. 自宅滞在快適系
  3. 運動不足解消系

社内Slack( #ext-my-new-gear )の投稿実例

おわりに

 この辺りが、私の感じた変化ということでずらずらとご紹介してきましたが 私が見えていないだけのこともあるでしょうし、今もまさに変わっていっていることもあるかと思われます。

ざっくり纏めますと、
リモートだと対面に比べ情報量が減る分、意思疎通の精度がどうしても落ち込むのでそこを埋めるために、"リモートで実現できる範囲で試行錯誤しながらコミュニケーションの量増やしたり品質を上げようといった取り組みが様々な形で活発化した"というのがうちで明確に確認できた「変化」かなと思われます。

個人的に、オフィス勤務では自然と発生している「雑談」という業務外に思えて実は大切なコミュニケーションがリモートを通じて活発化したということが特筆すべき点かなと思っています。私もこの状況がなければその価値はさておき本質までは気が付かなかったかもしれません。

逆に先日、知人と会話した際に聞いて驚いたのですが、企業によってはテレワークでの業務時間中にパソコン操作がされているかだとか画面キャプチャーとかで監視しているようなところもあるそうです。考えごとをしている時も意図的にPCのカーソル動かしたりしているらしい...。
(うちと真逆なアプローチに感じただけに余計驚きました

そんなこんなで企業やら組織によってアプローチも異なるようです。
いつの世も混乱から新しい時代が始まってきたようなので、これを機に定常的なフルリモートに舵を切る企業が増えたり、仕事だけでなく例えば義務教育とかお役所絡みの手続きとかもリモートが当たり前の時代が急にくるのかもしれません。

そんな時代の変化にこれから適応しなければならない企業や組織も多々あるかと思いますが、うちも小さいながらもリモート前提で長年試行錯誤してきたIT企業の一つとして「どうやっているのか、どうやったらうまくいくだろうか?」そんな情報を発信したり、時にクラウドを活用してお手伝いするのが価値でもあり世の為の貢献でもあるのと思うので、うちはうちで取り組みつつ、混乱や困難をなんとか乗り超え、皆で健康に次の時代へと進んで行けたらと願っています。

また元気に対面で集まれるような日が早く来るといいですね。

という訳で、趣味でLTをした後にハーツ布教魂に火がついて気がついたらblogを書いていました。
(ハーツ、家に居ながら短時間でリフレッシュできますので是非遊んでみてください)