こんにちは!サーバーワークス日本最南端社員の久保玉井(くぼたまい)です。
私の部署、ラーニングエクスペリエンス課では日頃、企業の皆様へ AWS に関するトレーニングをご提供しております。
が!!
今回は、沖縄の専門学校の生徒様向けに特別トレーニング(授業)をしてきましたので、その活動報告となります。
経緯
今回、特別トレーニングを実施しましたのは沖縄県にある最大の専門学校グループ、学校法人KBC学園に所属する専修学校国際電子ビジネス専門学校様です。
設立から30年以上の歴史があり、数多くの技術者を育成する専門学校様ですが、時代のニーズを読んで各種カリキュラムを提供されています。
より実践的な授業を実施していらっしゃるので、就職内定実績も95%以上と高い数字となっていました。
そんな専修学校国際電子ビジネス専門学校様は、AWSが提供する教育プログラムのAWS Academyにも加盟されている教育機関です。
AWS Academy とは?
クラウド人材の育成を促進する目的で、AWSでは教育機関向けのプログラムをいくつか提供しており、その中の一つがAWS Academy です。
通常ですとクレジットカードが必要なAWSアカウントも、学生向けに学習環境が無償で提供されていたりする素晴らしい制度です > AWS Academy
ただその教育カリキュラムは、世の中で利用されている具体的な事例などは少ない状況ですので、それを補完する形で特別トレーニングを今回実施してきた次第です。
どんな風にやったのか?
受講される生徒の皆様は4年制課程の4年生で、すでにある程度 AWS の基礎知識は保有している状況でした。
AWS Academy が提供する実習環境の Learner Labを用いて操作をしていると言うことでしたので、今回は設計能力を高めるトレーニングをご提供いたしました。
AWS への移行構成図を考えてもらいました。
今回は事前にお題を準備し、そのお題を実現できるように AWS で実装する場合の構成図を考えてもらいました。
お題内容:学生管理システムを AWS へ移行
教育機関向けでしたので「学生管理システムを AWS へ移行する 」という内容で以下の既存構成図を今回ご準備いたしました。
- 学生管理システムのサーバー機器がオンプレミスで稼働中
- 複数の校舎があり、校舎間は WAN で接続している
- 上記オンプレミス機器を AWS へ移行し、各校舎から接続して利用する
通常ですと既存ネットワークとの連携があるので、CIDR 設計や移行スケジュール・手順なども考慮しドキュメント準備する必要がありますが、流石に限られた時間でご準備いただくのは厳しいかと考え構成図のみ作成してもらう事にしました。
進め方
お題だけ提示して「はいどうぞ考えてください!」ですと、受講される方々も困ってしまいます。
よって既存システムの仕様詳細、あらかじめ必要になるであろう AWS サービスの紹介、構成図で利用するであろう素材の利用方法などをご説明しました。
序盤に諸々私から説明した後は、各自グループ毎にディスカッションしてもらい構成図を作成していただきます。
途中にこんなご質問がありました。
さて、各グループに分かれてディスカッションしていただき、講師となる私は順次グループを巡回し諸々のご質問にお答えしていました。その際に以下のようなご質問もありました。
監視とかしても良いですか?
もちろんです。CloudWatch を活用しアラートを元に何か自動処理を組んでも良いですね!
データベースのライセンスはどうしたら良いですか?
今回の移行対象のシステムのデータベースのライセンスについてもお問い合わせがありました。
Amazon RDSを用いるならライセンスは利用料込みになりますが、もしも有償データベースでライセンスを保持し利用し続けるなら EC2 で動かすのもありですね。
(ライセンス費用負担まで考慮しているとは思わずびっくりしました)
利用料無制限で構成検討しても良いですか?
流石にそれだと現実的ではありませんので、「もしも自分が会社を経営しているという立場で考えてみてください」とお伝えしました。
グループによって会話量などの差はありましたが、ざっくばらんにディスカッションを進めており楽しそうでした。
グループ発表
朝からグループでディスカッションしていただき、3.5時間ほど構成を考えてもらいました。
全チーム7チームあり、各チーム毎に発表です。
各チーム毎に考えていただいた構成図を元に、良い点のご紹介と改善したほうが良い箇所のアドバイスを行いました。
代表としてご紹介
7チーム分すべてのご紹介はできませんが、今回最後に発表されたチームの構成図が力作でした。
- MultiAZ構成
- NAT GatewayもそれぞれのAZ事に設置
- データを保存するDBは可用性を高める為にMultiAZな設置
- アプリケーションサーバーはAutoScalingで需要に併せて増減
- バックアップデータの保存先としてS3を利用
- S3への経路でVPC(ゲートウェイ)エンドポイントを準備
- CloudWatchで監視
- 各校舎と AWS はSite-to-Site VPN接続
就職前の段階でここまで考えて来たのが素晴らしかったです。
まとめ
今回は御縁があり、AWS の特別トレーニング(授業)をご提供いたしましたが、感じたことは…
「最近の若者は優秀」の一言です。
ネットワークやOSなどの基礎知識を元にクラウドベースで構成を考え、中にはライセンス料まで考慮するという様子を見て、若い方々の優秀さを身を以て知りました。
私も引き続き勉強を続けて、より良いトレーニングをご提供していくようにしてまいります。
ご案内
もしも教育機関にお勤めの方で、AWS 関係の特別授業をして欲しいというご要望がございましたらお気軽に弊社までご連絡ください。
以上、最後まで本ブログをお読みいただきありがとうございました。
久保玉井純(執筆記事の一覧)
アプリケーションサービス部
サーバーワークス日本最南端社員。
最近、AWS Authorized Instructor Award 2022で表彰いただきました。引き続きわかりやすいトレーニング提供できるように頑張ります!