
ご挨拶
こんにちは! 滋賀県在住24卒の濱田と申します。
滋賀、いいですよ〜。いつでも琵琶湖に行けるって素晴らしいことです。
私は大学院博士課程まで進学し、博士号を取得した上で、新卒としてサーバーワークスに入社しております。おそらく世間的にはかなり珍しい「29歳の新卒」ということになります。
2024年4月の入社から約1年間の研修を終え、現在、ようやく本配属についたタイミングです(投稿は2025年3月12日です)。
本記事では、長い時間を大学院で過ごした者の目線で、サーバーワークスでの1年間の研修生活を振り返っていきます。
- サーバーワークスの新卒研修の雰囲気が気になる方
- 中長期の大学院生を経て、就活にチャレンジする方
- サーバーワークスへの入社を検討している大学院生や第二新卒の方
こういった方たちの参考になればと思います。

前提
大学院生であれば誰しも、「大学院生っていっても色々じゃん! 具体的にどんな大学院生活だったのか述べよ!」と思うでしょう。まず自分の話をします。
- 文系の大学院生。フランスの哲学者を研究していた
- 研究発表と論文執筆の締め切りを設定、自らを追い詰めて精神を病みつつ、なんとか成果を捻り出すという典型的な(?)院生生活を送っていました
- 2年で修士論文、4年で博士論文を提出しました
- 博士課程3年の冬に就活を開始し、サーバーワークスへの入社を決めました
サーバーワークスの研修内容について
研修内容はどんな感じ? 優れた先行文献が多数ありますので、そちらをご覧ください。以下、いくつか紹介いたします。
さて、ここからはもっとソフト&ウェットな話をします。
具体的には、主にコミュニケーション、院生生活からの生活の変化、価値観の変化等について書いていきます。
内容が内容ですので、ちょっと一人称で書きづらいところもあり インタビュー形式で書いてみました。
それでは濱田さん、よろしくお願いします!
は〜い。
コミュニケーションについて
——ぶっちゃけ29歳で新卒として入るってかなり浮くんじゃないですか?
それがそうでもなかったんですよね。
——そんなバカな。
いやいや、ほんとなんです。客観的に言って、浮く状況ではありませんでした。24新卒の15名のうち、博士課程卒業・博士課程在学中の方は、私を含めて3名いました(!)20%が博士課程の人なわけです。
そのほか、修士課程を卒業した方、第二新卒の方なども一緒に「24卒」という括りで研修を行っていたため、年齢層がバラバラなのは当たり前で、少なくとも私の世代では、年齢差をあまり意識することがありませんでした。いちいち意識するきっかけがないです。
今年が特異的に多かったのかもしれませんが、全社的にも、修士課程・博士課程からサーバーワークスに新卒で入られた方も結構いまして、「博士課程大変だったでしょう」と暖かい言葉をかけていただけることもありました。
もちろん、大学や専門学校を出たばかりの方もいらっしゃいます。今後も同じ採用傾向が続くかは分かりませんが、少なくともこれまでは、多様性ある新卒の採用が行われてきているようです。
——とはいえ、コミュニケーションでギャップを感じることもあったのでは?
全くないとは言いませんが、実はそこまで感じていません。 少なくとも私の新卒の同期は、多様性とお互いのバックグラウンドを重んじながら、リスペクトを持ってコミュニケーションできる人ばかりでした。
優しい方たちだし、平等に接しようという感覚も持ってくれているので、あえてタメ口で積極的に話しかけてくれたりするんですよね。そのおかげもあり、私のほうもかなりフラットにコミュニケーションを行うことができました。ありがたい限りです。 皆さん立派な方たちなので、「俺の方が先輩だな」と思うシーンはありませんでした。
——正直、年上のプライドがうずいたりはしないの?
個人のメンタリティー次第かなとは思いますが、自分のプライドが邪魔になるようなことは、私はありませんでした。 これまでの専門分野の知識や蓄積が権威になるような場ではないので、そもそも1からのスタートだと割り切って入社したのが良かったように思います。これまでの専門家としての自分は捨てて、ITの初心者として、新卒のみんなといい研修をしよう、と思っていました。
研究を続けている時間が長かったからか、逆に一から未経験の分野を勉強できると言うのは、本当に新鮮で楽しいんですよ。この歳になってもそういうことが許される会社であること、本当に嬉しく思っています。
それに博士課程で非常勤講師なんかをやっていた頃と違って、数回の面接とテストを経るだけで、終身雇用とお給料をいただけているというわけですから、プライドなんてつまらないもの……
——何か言いました?
いえ。
——周囲と比べて年長者であることがハンデになると感じることありましたか?
明確なハンデはありません。強いてあげてみると……
これも個人的なメンタリティの話になりますが、歳を食っている分、早く成長しなくてはといったような内面的な焦りはちょっとあります。これはプラスにもマイナスにもなると思います。
また、チームワーク、コミュニケーション、コンプライアンス、マナー、タスク管理といった普通の会社員が求められるスキルの面で、自分の足りない部分を思い知らされることはあります。「もう29歳なのに、こんなにタスク管理メチャクチャなのかよ」と自分にがっかりしちゃったりするんですね。この点は日々勉強ですね。私の研究の特性上、書籍や数人の仲間とだけ関わる毎日だったため、この辺は仕方ないかもしれません。むしろ、そういうメチャクチャな生活や頑張り方を変えたくて会社に入ったという側面もあります。
——逆に年齢がアドバンテージになっていると感じる事はありますか?
これも人によることですが、新しいことを学ぶときの効率の良さとかは、アドバンテージがあるかもしれません。新しい科目の勘所を掴んだり、他の分野を勉強するときのアプローチが流用できたり、ということです。
——フランス語や文献読解の経験はアドバンテージになってますか?
直接はアドバンテージになりません。しかし間接的には結構プラスに働いているかもしれません。ITってかなり概念の世界なので、掴みづらい概念に付き合う忍耐とか、その抽象概念について記述しているドキュメントをいろんな角度から読む必要があります。これは大学院生でやっていたことと近しい。
研修生活について
——具体的に、現在の研修生活の話に移りましょう。文系でチームワークをしない大学院生の生活が長かった濱田さんですが、会社員生活には馴染めましたか?
あくまで研修中ではありますが、今のところやっていけています。 まず、フルリモートが基本となる働き方なので、電車やバスに乗らなくていいこと、地方でも働けること、これがかなりプラスに働いています。コミュニケーションツールもチャットとオンライン会議がメインとなっており、ある程度自分のペースを保ちやすいです。私は基本的に内向的な人間です。いきなり会社に出て、毎日スーツを着て革靴を履いて、たくさんの人のいる電車に乗って……と、いうことにはだいぶ抵抗がありました。
それでも、コミュニケーションは絶対量が増えるので、コミュニケーション上の失敗や「もっとこうすれば」も増えます。この辺はトライ&エラーでより良いコミュニケーションを目指しています。こういう努力から逃げたくない、と思っての就活だったということもあります。
——毎朝、定時にはきちんと起きてますか?
起きてます。 定時労働は確かに堅苦しい側面もありますが、大学院生の頃の苦しみと比較すると今の方が楽です。大学院時代は自分を律することができるのが自分しかいなかった。会社のリズムとあわせてタイムマネジメントをする方が楽だし、健康に暮らせるかなぁと思います。 私はあまり自分のマネジメントができるタイプではなかったので、大学院時代は苦しい思いをしていました。
——哲学研究からいきなり何も知らないITの業界に入られたと思いますが、内容的にも、価値観的にも、ついていけるものですか?
ついていけます。 外から見てると、ITってなんだか訳のわからないもののように見えますよね。でも、IT技術って基本的に「昔の賢い先人が少しずつ整備したルールの積み重ね」なんです。通信のプロトコルにせよ、プログラミング言語にせよ、暗号化方式にせよ、そうです。
なので、少し忍耐力は要りますが、ゆっくりと勉強進めていけば、「こんなアイデアを考えて実装したなんて、人間ってやっぱり凄いよ」と、好奇心と尊敬を抱くことができます。だから、単なるビジネスの道具にとどまらず、知的好奇心が満たせる内容だという点でも、ITは合っていたかなぁと思います。
——勉強をする際の心構えなどはありますか?
一番大事だと思うのは、忍耐を持って先人の歩みにゆっくりついていく自分を許すことです。弊社の新卒研修は、初心者を交えたチームワークで基礎研修を進めており、「ゆっくり進む」ことを仕組みで整備してくれているので、この点は大丈夫だろうと思います。
草薙素子ではありませんが、ITの世界は広大です。「これで学び終わり」ということは決してなく、新卒に限らずベテランの皆さんまでみんな、それぞれ自分なりの得意分野や好きな分野で勉強を継続しています。勉強するのが当たり前という前提はありますが、この前提が乗り越えられるなら、特に苦労はないと思います。
——文系でも大丈夫?
理系とか文系とかもあんまり関係ないかなって私は思います。 特にAWSを扱うって、煎じ詰めればドキュメントを読んだり人に聞いて理解したりして、それを説明できるようにアウトプットして、後は手を動かす。これにつきます。 特殊な数学的素養は必要じゃなくて、むしろ自然言語の扱いの方が大事です。 文系出身でAWSエンジニアとして活躍している先輩方、結構見ますよ!
とはいえ、イメージ的な思考よりも、ロジック的だったり実証的だったりする思考の方が高く評価される傾向はあります。これは明白にあります。でも、これも後天的に鍛えられるものだと思います。ロジックはプログラミングなどを勉強しながら機械に教えてもらえばいいんです。
価値観の変化について
——最後に価値観について伺います。大学院の博士課程にまで進んだということは、ビジネスよりも学問に対する追求を少なくとも一度は優先したということですよね。そこからの鞍替えには、単に生活の変化と言う以上に、価値観の変化もあったのではないかと思います。この辺のギャップについて、入社後の感覚を聞きたいです。
かつて私が大学院に進んだときには、就活なんてしてなるものかと思っていました。その当時、就職活動というのは、自分自身を殺して、会社の歯車として自分をアピールすることだと思っていました。一時的な利益を求めて右往左往するのではなく、普遍的な価値を追求することができる大学院を選ぼうと思っていた気がします。
確かに理想としては間違っていなかった思うのですが、元々の飽き性もあり、6年間大学院生をやってみると色々と気になるところも出てきました。研究そのものは確かに尊いのですが、「大学」は必ずしもそうでもないな、と思ったのが一点です。あくまで私にとってはですが、コミュニティが閉鎖的で、何をするにもやや息苦しさが付き纏っていました。
いざ就活をしてみると、(もちろん資本主義の行動原理に乗っ取りながらではあるけれど)サーバーワークスのように、自分にとって自然な生き方や働き方を追求できるような場所もあるんだなと思いました。なら大学で消耗していくだけではなく、別の世界を覗いてみるのも全然アリじゃん、と途中から思ったのです。
わたしは天職という考え方が好きではありません。せっかく生まれてきているんだから、自分が何を為すべきかなんて決め切らずに、あれこれやってみて、自分に合うと思ったことを、その都度やっていけばいいと思うんです。
大学院のキャリアや成果とは全く関係なく、まっさらな新人として、ITを1から学んでエンジニアとして働けている現在の自分の人生を、私はかなり気に入っています。そしてそんな自分を受け入れてくれたサーバーワークスに感謝しています。
——ありがとうございます。
終わりに
文系の大学院生としてしっかり博士課程を卒業したのち、企業に新卒入社するというキャリアはちょっとレアケースであろうと思います。
レアケースとしては、このようなキャリアも全然アリなのかもよ! ということをぜひみなさんに伝えたく、この記事を書きました。
あなたが大学院生生活に何らかの閉塞感を抱えているとしたら、アカデミアの就職や予備校講師といったキャリアだけでなく、企業——とりわけ弊社のように、新しい考え方を持ったベンチャーのIT企業——に入社するという選択肢もありなのかも、と視野を広げていただけたらとても嬉しいです。
それでは、またどこかでお会いしましょう!
濱田 明日郎(執筆記事の一覧)
アプリケーションサービス部 ディベロップメントサービス2課
2024年新卒。奄美大島出身。
ベルクソン哲学研究で博士(人間・環境学)。
ITは未経験ですが、優勝目指して頑張ります。