本記事は、サーバーワークスの新卒研修について詳しく知りたい就活生向けの記事です。
研修の中身を知ることと共に、サーバーワークスが「新卒採用」をすることの考え方や、求められる姿勢について理解できるような内容となっております。
こんにちは!採用育成部OJT中、24新卒の石田です。
サーバーワークスでは、説明会や面接で「未経験からでもエンジニアになれる」「AWSのプロから効率よく学ぶことができる」といった内容をお伝えしております。
この言葉自体に間違いはないものの、「設定された研修さえこなしていれば、エンジニアとして仕事ができるようになるのでは?」と認識されてしまうのではないかと思いました。
そのため、本記事では「新卒研修の実態」を可能な限り掘り下げて説明していきます。
※こちらの記事は2024年度の新卒研修内容に準拠しています。研修内容は毎年ブラッシュアップされており、今後変更があることをご理解ください。
「新卒採用」をすることについて
サーバーワークスが新卒採用を行う目的には、「既存社員の成長」「カルチャーの継承」の二つがあります。
「既存社員の成長」について、社長の大石はこう考えています。
「カルチャーの継承」については、一年間の研修目標に表れています。
サーバーワークスの文化を理解し、カルチャーを体現できるようになることは、将来的に会社で活躍していくうえで必要なことです。また、今ある環境の良い点や課題点を理解し、それを改善し続けていくのは、プレーンな視点を持つ「新卒社員」ならではの強みです。
新卒採用を継続して行うことで、技術面・カルチャー面の両方で成長サイクルを回し続ける。これにより、会社全体のチームとしてのレベルを上げていこうという考えがあります。
研修で求められる姿勢・行動・考え方
2024年新卒研修では、以下のような目標が設定されています。
これら4つのゴールにはそれぞれ目標行動が示されています。
1. 自分で配属先を選べる
目標行動:ファーストキャリアが「なぜその部署なのか」の理由を説明できる
配属を希望する部署で経験できることや、「そもそも自分は何がしたいのか?」を明確にすると、配属先を選びやすくなります。
2. 配属時にスムーズに業務に入っていける
目標行動:先輩からの指示を理解し、その内容を自分で判断して能動的に行動できる
ITやAWSに関する知識の下地を身に付けたうえで、会社の業務フローやサービス形態について理解することがその第一歩になります。
3. サーバーワークスの文化を理解している
目標行動:会社のビジョンと定められた4つの行動指針を理解し、それに則って動けるようになる
研修を通して、これらを体現したエピソードや自分の解釈を説明できるようになることも、目標行動の一つです。
4. 何か課題があったときに適切な人を選択して適切なコミュニケーションを選ぶことができる
目標行動:「この課題について頼るべき先輩は誰だろう?」に対する最適解を、自分で出せるようになる
リモートワークが中心になるので、場合に応じて使用するコミュニケーションツールを選べることも必要なスキルになります。
総じて、この研修全体で求められているのは、
自分がしたい仕事を明確にし、理由を持って働く場所を選択できること。
その仕事をするうえで必要な下地を身に付けていること。
そしてその必要な下地というのが、
1. 最低限の知識やスキルが身に付いていること、2. チームの一員としてどう動くべきかを知っていること、3. 困った時に、誰にどう頼るべきかを知っていること
の、大きく3つだと言えます。
研修の内容と流れ
IT基礎研修
IT基礎研修の目的は、ITの基礎知識を広く身に付けることで、知識の下地を作ることです。
入社後約3ヵ月をかけて、「コンピューターの仕組みはどうなっているのか?」「ネットワークはどのように成り立っているのか?」など、基本的な知識を幅広く身に付けます。
週毎に与えられたテーマについて学び、金曜日に一週間の成果発表を行う流れを繰り返しながら行います。
また、3-4人のチームを組んで行うため、人と成果物を作成することや、疑問や悩みを共有すること、適切に先輩へヘルプを出すことの練習ができます。
IT基礎研修について書かれたブログがあるので、こちらも参考にしてみてください。 sabawaku.serverworks.co.jp sabawaku.serverworks.co.jp sabawaku.serverworks.co.jp
AWS基礎研修
AWS基礎研修の目的は、AWSの基本的なサービス・機能について、入門的な知識や使用方法を身に付けることです。
期間は3-4日で短期集中講義のような形を取っています。講師となるのは、普段はAWS公式トレーナーとして顧客向けにトレーニングを行っている社員です。そのため、有料トレーニングと同様の内容を、新卒専用に実践的な知識も交えつつ教えていただきます。
主に、AWS公式の資料を活用しながら、座学とハンズオンを行います。仮想のお客様のRFP*1をもとに構成図を作成し、かかる初期費用や利用料を算出するなど、実際の提案書作成の雰囲気も知ることができます。
また、IT基礎研修で基本的な知識が付いているので、それがAWSというクラウドにどんな形で反映されているのか、クラウドの利点は何かを知ることができます。
部門紹介プレゼン
部門紹介プレゼンの目的は、会社の中にどんな部署があるのか、その部署で何を行っているのかを知ることです。
2-3日に分けて各部署の先輩方から所属する部署の業務紹介をしていただきます。配属先を考えるための材料にしたり、OJT(On the Job Training)で回る部署や職種を選ぶときの参考にしたりすることができます。
OJT(On the Job Training)
OJTの目的は、会社の業務フローやサービスの内容について理解することです。
約3ヵ月かけて任意のいくつかの部署を回ります。
部署毎にトレーニー*2の補助をするトレーナーが付きます。行う業務内容は部署・時期によって変わります。
実際の業務の現場を見ることで、配属後の自分の姿を想像したり、自分がやりたいことがその部署で出来るのかの判断をしたりすることができ、より配属について具体的に考えられるようになります。
OJTを終えた所感が記載されているブログもあります。
※現在と部署の名前が異なる場合がありますが、内容に大きな差異はありません。
sabawaku.serverworks.co.jp
sabawaku.serverworks.co.jp
模擬案件
模擬案件の目的は、サーバーワークスの業務プロセスや案件の進め方について、実際に経験しながら学び、理解することです。
約3ヵ月の間、過去の案件をモデルとして、社内の先輩をお客様、自分が営業・エンジニアのすべてを担う形で行います。
営業・エンジニアそれぞれにトレーナーが付きます。しかし主導権は自分にあるため、トレーナーはあくまで自分の補助をする立場になります。
難易度が高く設定されていることから、「失敗すること」「壁を乗り越えること」「人の力を適切に借りること」についても、現場感を味わいながら学ぶことができます。
社外のお客様とやり取りする際の基本的なマナー、現状の自分のタスク・体力のキャパシティなどを本配属前に知ることもできます。
自分の力試しにも案件の予行練習にもなる、研修最後のパワフルな取り組みだと言えるでしょう。
配属希望について(キャリア面談)
こちらは研修ではありませんが、配属先を決めるために本人の意向を人事と擦り合わせる目的があります。
一年の研修を通じて深まった本人の考えを前提に、それに最も応えられる部署に配属が決定されます。
こちらに関して赤裸々に語られているブログがあるので、「本当にそうなの?」と思った方は是非ご覧ください。 sabawaku.serverworks.co.jp
その他
他にも様々なコンテンツがありますが、以下に代表的なものをご紹介します。
オンボーディング課題
会社のPCで業務を行う上で必要なセットアップを行います。
デバイス利用について守るべきルールについても、この課題で学ぶことができます。サバトークフレッシュ
多種多様な先輩を呼んで、真面目な仕事の話から趣味の話まで雑多に話すことができる制度です。
部署のリアルな声を聴く機会として使用することもあれば、自分と近い趣味の先輩を探して仲良くなる第一歩にすることもできる、新卒一年目の特権です。メンター制度
一年間、メンターと呼ばれる先輩が一人に一人ずつ付いてくださいます。
ざっくり言うと「なんでも頼れる先輩」です。SIerとは?(特別講座)
サーバーワークスはSIerでもあります。そもそもSIerとは何か?どうやってお客様とやりとりをして、システムを構築しているのか?という部分について、ビジネスの観点から学びます。
ご紹介までに、新卒社員が研修について書いたブログがたくさんあります。
サバワクには「新卒研修レポート」というカテゴリが存在するので、ご興味のある方は是非のぞいてみてください。
sabawaku.serverworks.co.jp
研修で身に付けられること
スキル・技術知識
技術知識
以下は、入社1-2年の社員が取得している代表的な資格群です。
一点注意していただきたいのが、ここで伝えたいのは「この資格が取れます」ということではなく、研修を主体的に受けることで、これらの資格相当の「技術知識・スキルが身に付けることができる」ということです。
参考程度にご覧ください。
- ITパスポート
- 基本技術者
- 応用情報技術者
- AWS Certified Cloud Practitioner
- AWS Certified Solutions Architect - Associate etc.
その他、AWSのFounfational、Associateレベルの多種多様な資格を取得した方もいます。 (また、入社一年で12冠*3を達成した方もいます。夢がありますね。) sabawaku.serverworks.co.jp AWS認定資格一覧(参考) aws.amazon.com
ビジネススキル
研修で身に付いた「業務に必要なスキル」を紹介します。
これは大きく「コミュニケーション」「チームでの業務の進め方」「役割の意識」の三つに分けられます。
1. コミュニケーション
会議で行うアイスブレイクや、場に適切な自己紹介の仕方等、仕事上で円滑に関係を構築するためのスキル等が身に付きます。
同期と行う朝会・夕会、OJT中に参加する会議等で練習を積むことができます。
また、サーバーワークスはリモートワークが中心であるため、テキストでのコミュニケーション能力も必要になります。社内ツールを使用して適切に相手に内容を伝える力も日々の業務から鍛えることができます。
2. チームでの業務の進め方
メンバー内の報連相や、成果物作成の手順やスケジュール決定、課題の認識を擦り合わせることの重要性を知ることができます。
これは、IT基礎研修やOJTなど、チームで活動する中で実践的に学ぶことができます。
チーム活動のどこが難しく、何をすると良いか、何が必要不可欠か、という部分を経験することができ、より実践的な知識が付きます。
3. 役割の意識
自分が会社から期待されているものは何かを理解することができます。
会社には様々な人が在籍しており、その働きや成果などで負うことのできる責務範囲がわかれています。
新入社員は上司や先輩の指示に従い、自分に任されたタスクを遂行することが課された役割=会社から期待されていることになります。
自分で出来ないことを恐れて躊躇するのではなく、自分に任されていることをきちんと理解し、素早く行動することの大切さを学ぶことができます。
カルチャー面
サーバーワークスの4つの行動指針に則った姿勢も、研修を通じて自然と身に付きます。
行動指針については採用ページにも詳しく記載があります。
どのような意味で「オーナーシップ」「スピード」「成果」「顧客視点」と表現しているのか、是非ご確認ください!
www.serverworks.co.jp
OJTやその他の研修で社内の方々と接する中で、新卒や中途、年次や部署に関係なく、全員がこの行動指針を普通のこととして捉え、行動していることがわかります。
行動指針は、研修のためだけの一つの指標として捉えられるかもしれませんが、日々の業務にもしっかりと浸透しています。
就活生の方に伝えたいこと
大変長くなりましたが、さいごに就活生のみなさまへ伝えたいことが2つあります。
1つは、「IT未経験・文系でも大丈夫ですか?」という問いへのアンサーです。
ハッキリ言って大丈夫です!
なぜなら、理系・文系という枠組みはあまり意味が無いからです。
業務を行う上で用いる論理的思考力・表現力、抽象的に物事を考え、わかりやすい説明に落とし込む力は、理系・文系というカテゴリに関係なく必要だからです。
自分がカテゴライズされる属性に惑わされず、臆せず、「自分のやりたいこと」を考えてみてください。
2つ目に、「学生の間でしかできないことをしてください」という社長からのメッセージです。
このことは、内定式で毎年必ず社長の大石が話しています。
社会人になってからは、どうしても時間的拘束が増えます。長期休暇を取って海外旅行をしたり、趣味に没頭する時間を作ったりすることも、場合によっては難しいことがあります。
何より、今学生として学んでいることを大事にしてほしいという気持ちがあります。会社に入ってから専門的に他のことを学ぶというのは、なかなかできることではありません。
学生である今のうちにできること・したいことを精一杯楽しんでください。
社会人になったら、社会人の楽しさがあります。その時にしか味わえない「今の楽しさ」を忘れず、何事にも全力で取り組んでみましょう!(ちょっと説教臭いかも)
おわりに
さて、この記事では新卒研修の概要を紹介しました。
実際は書いた内容以上に奥が深く、取り組むうちに「実はこんな狙いもあるのでは?」と自分からのめり込んでいくような体験ができます。
文字数の都合上、ご紹介程度になりましたが、これを読んで「もっと詳しく知りたい!」「先輩の生の感想が聞きたい!」と思った方は、ぜひ会社説明会やその他イベントに参加してみてください。
サーバーワークスという会社に、少しでも興味をもっていただけたら幸いです。 www.serverworks.co.jp
*1:Request for Proposal。依頼元の企業が依頼内容や要件、予算などを記載した文書。依頼された企業はこれをもとに提案書を作成する。
*2:研修を受ける人。ここではOJT中の新卒社員が該当する。
*3:2024年11月現在では、13冠で資格コンプリート
石田裕菜
趣味は映画と音楽とドラゴンボールです