エンジニア、マネージャー、どっちを選ぶ?必ずぶつかるキャリアの悩みを考察してみた

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はじめに

こんにちは。CS部CS2課のオールドルーキー有川です。

関東ではキャンプが出来る気温になってきましたね。我が家もキャンプの計画を立てています。 焚火で癒されたいと思う反面、10分以上眺めていられないせっかちさんでもあります。 あと適度にいい感じにするための火の世話が地味に忙しいので、ゆっくりしたくてもなんか上手くゆっくり出来ない・・・。 やっぱり最終的には酒が世界を救うのではないでしょうか。飲んじゃえば火とかどうでもよくなりますし。

何の話題か

さて。

5.6年ほど前ですが、エンジニア35歳限界説とかいう大嘘が蔓延っていた頃から、なんとなーく感じていたキャリアチェンジの必要性について、少し考察してみた記事です。 具体的に言うと自分はエンジニアでいるべきか、マネージャーになるべきかの考察です。

きっかけ

弊社には中途採用でもかなり長めとなる、4か月の研修期間があります。 ある日、研修の完了を目前とした私と、配属先予定となる課長との面談が設定されました。 その面談で課長に問われた一言が、久しぶりに刺さる問いであったためちょっと深く考えてみようと思い至りました。

「有川さんは、将来エンジニアを続けたい?マネージャーをやりたい?」

この問いは、この記事を読んでいる皆様も、なんならエンジニアという職種に携わるすべての人が必ず一度はぶち当たる問いなのではないでしょうか。 大げさに言うなら、永遠の課題とも呼べるかもしれません。

マネージャーというキャリアへの葛藤

前職において、私はマネージャーというキャリアを全く考えていませんでした。管理者になることのメリットが、私には見えなかったからです。 以下は前職において、私が考えていたマネージャー職にキャリアアップすることのデメリットです。これはあくまで私の考えであることを強調しておきます

  • 会社としての成績や数字に対する責任を負うことになる
    • 大げさに言うと、社員の命運を背負う
  • 給与は特に上がらず、残業代や手当もつかなくなる
    • 当時の私の状況だと、実質賃下げになる可能性が高かった
  • 業務拘束時間も長時間化する傾向が強い
    • なんというか、もはや「会社こそが人生」的な方が多かった認識
  • 技術をひたすら追求する、という仕事の仕方は時間的に不可能になる
    • 時間間隔を失うほど夢中で追いかける感覚で業務が出来ないのは決定的にイヤでした

「誰がやりたいの、これ?」というのが正直な気持ちでした。 下記リンクで示す通り現在の若い世代でも私と同じように管理職になることへの抵抗はあるみたいです。

www.manpowergroup.jp

※私の感性が若い可能性もありますね(゚∀゚)

しかし私の技術的スキルや、社歴的なところで一技術者であることを許されなかったため会社と会話した結果、技術リーダーというなんとも曖昧な役割を担っていました。売上や評価には直接関わらない、あくまで技術部門内のチームリーダーです。主な仕事は、WBS作成などのスケジュール管理や、10名足らずのチームメンバーの管理(1on1など)、そして技術的なトラブルシューティングでした。

野球型とサッカー型、2つのキャリアパス

マネージャーのキャリアパスには、大きく分けて2つのタイプがあると思います。 それを、私は野球型とサッカー型と名付け、以下に定義してみました。

野球型:現場叩き上げのエンジニアが管理者に出世するパターン

プロ野球において、名選手が監督になっていくパターンをイメージしてください。エンジニアとして実績を積み重ね、その延長線上でマネジメントの役割を担う方式です。

サッカー型:管理手法や育成手法をしっかり学び、管理者として登用されるパターン

選手としてはプロ未満で、あまり目が出なかった選手が、学びによって監督になっていくパターンを想定してください。マネジメントを専門的に学び、その知識やスキルを活かしてマネージャーを目指す方式です。

私の理想と現実のギャップ

私の理想は、野球型でした。エンジニアとして知識を吸収し、一定のアウトプットを出すことで業務を遂行する。それを繰り返すうちに仲間が集まり、信頼が集まって、その中で自然に人を管理する立ち位置に移行していければ、エンジニアとしてもマネージャーとしても理想的だと考えていましたし、今でもその考え方自体は否定できません。

しかし、どちらが優れたマネージャーになりやすいか、という問いに対しては、やはりサッカー型に軍配が上がるとも考えています。なぜなら、選手として求められる能力と監督として求められる能力は、全く別物だからです。

なお、野球界の手法が間違っていると言っているわけではありません。実力のあった人気選手が引退し、その後に監督としてチームの指揮を執ることは、勝負事である野球においてなおエンターテインメントの側面を持ちファンがいる客商売である以上、正しい姿とさえ思います。 そしてその人気選手が経験を積んで名監督になっていくことも多いと考えています。

※野球型とサッカー型の定義はあくまで例示したものであり、サッカー指導を志す場合、ライセンス制度に基づいたキャリアパス展開なのに対し、野球がそういった機構を持たず実績ベースで運用されているなど、各競技の事情により異なっているものです。そこの優劣を比較する意図はありません。ご認識のほどよろしくお願いいたします。

エンジニアとマネージャー、両立の難しさ

上記のことを例として捉えると、マネージャーになるにはマネージャー専門の教育を受ける必要があり、本気でマネージャーとして活動する必要があると考えるべきでしょう。

エンジニアとして活動しつつ、マネージャーとしても成長するというのは、実現不可能、絵に描いた餅ではないかと考えています。できたとしても中途半端になってしまうのではないでしょうか。そして、それを成果と呼ぶことができるのでしょうか。

この問いに対する答えは、まだ見つかっていません。しかし、この葛藤こそが、エンジニアのキャリアを考える上で避けて通れない重要なテーマではないかと思っています。

※なお、プレイングマネージャーとかいう超人もいましたね、野球界には・・・。

弊社のマネージャーロールの考え方

弊社代表の大石が、新規にマネージャーになる方へ向けて、文書を社内に公開しています。 その中の一部を抜粋してみます。

マネージャーになることのメリット

  • 知ることができる範囲が広がる

社外の方は「マネージャーに伝える」「マネージャーだから伝える」という行動を取るでしょうから、必然的に得られる情報の範囲が広がります。多くの情報が得られることで、多くの知識と経験、選択肢を得ることができるようになります

  • 自分の能力を開発できるチャンスが増える

マネージャーという新しい仕事は「自分がやってこなかったこと」に対するチャレンジという意味において、最高の成長の機会といえます

  • キャリアの幅が広がる

「いつでも転職できるけど、それでもサーバーワークスでマネージャーとして活躍する道を選んでいる」という状態であってほしいと強く願っていますし、「自分はいつでも転職して別なキャリアを形成することもできる」という状態を保つことは、精神衛生上も好ましいことだと思います。

それ以外にもマネージャーとなった際に指針とするべきガイドが12箇条にも及び細かく記載してあり、会社としてどうしてほしいのかが明確に記載されています。

さらに、その文書の中で私が注目したのは、以下の文言が明記してある事です。

マネージャーに昇進することによるデメリットはほとんどありません。一部の会社では管理職になって残業代がつかなくなる、などということがあるようですが、当社の制度がそのようになっていないません ※(原文ママ)

これらの文章について、代表自ら明言してくれていることが、弊社のオープンで公平な社内文化の象徴なのではないかと考えています。 特に"いつでも転職できるけど云々"は立場的になかなか言える、書けることじゃないと思ってます。 僕は採用じゃないですが、採用や人事の立ち位置からすると目玉飛び出しそうになる発言かなと思います・・・。

まとめ

今回の記事では、エンジニアからマネージャーに至るキャリアパスを「野球型」と「サッカー型」の2パターンに定義し、マネージャーというキャリアを考察してみました。

残念ながら私自身、まだ明確な道筋を見つけられているわけではありません。しかし、今回の考察を通して、マネージャーとは何かより深く考えるきっかけを得ることができました。

弊社代表が示したマネージャーというロールの考え方や、マネージャーになることのメリットは、私が抱いていたマネージャーに対するネガティブなイメージを払拭するものでした。

エンジニアとして技術を追求する道も、マネージャーとしてチームを率いる道も、どちらも魅力的な選択肢です。

今後、私はこれらの選択肢を視野に入れながら、自身のキャリアを慎重に検討していきたいと考えています。

この記事が、エンジニアのキャリアパスについて悩んでいる方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。 そして、弊社にご興味をお持ちになっていただけたならば、キャリアについて一緒に悩んでいきませんか?

ありかわ りゅうた(執筆記事の一覧)

カスタマーサクセス部 CS2課

2024年11月中途入社
自動車、釣り、キャンプ、ギターが趣味です。
経験こそ至高と思っているので、趣味的な事柄は何でも手を出します。
妻(パート)と娘(小学低学年)と息子(小学高学年)と犬(ゴールデンレトリバー)と猫(ミックス)で暮らす日々が煩わしくてうるさくて面倒くさいのに、かけがえの無いものなのが不思議です。