マネージドサービス部 佐竹です。
今回は、ピアボーナスサービス「Unipos」を毎週使い切るコツを紹介していきます。
はじめに
こんにちは。たまにこちらにも投稿するエンジニア、佐竹です。
2014年7月28日に入社した私は、あと少しで勤続年数10年となります。
この10年間サーバーワークスという会社に所属してきた中で、印象的なサービスの導入といえばやはり「ピアボーナスサービス(Unipos)」の導入でしょう。
「ピアボーナス」とは一緒に働いている人同士が、普段の仕事の成果や貢献に対して感謝を伝えつつ、それと同時に少額の報酬を送り合う仕組みのことです。
弊社では2018年10月1日から本格的に稼働しており、今日まで継続して利用されています。なお、この Unipos というサービスを社内では「さばチップ」という名で呼称することで親しみやすい感じにしているのですが、今回対外向けでもあるので「Unipos」の名称で統一して記載していくこととします。
外部記事のご紹介
Unipos そのものについてもう少し知りたい方向けの情報です。
これについては、本記事がとてもわかりやすいと感じましたので、合わせてご紹介させて頂きます。
Unipos の画面をご紹介
以下は実際の Unipos の画面です。
これは私が同僚に対して感謝のメッセージを送りつつ、手持ちのポイントの一部を送ったことを示しています。なお、ポイントは 0 でも送ること自体は可能です。
送られた相手はリアクションでメッセージを受け取ったことを相手に伝えることが可能です。いわば「既読」ですね。
また、当事者以外の他メンバーはこの投稿に対して「拍手(※後述)」をすることで簡単にポイントを送ることも可能です。
Unipos の仕組みやルール
Unipos の仕組みはなかなか興味深いものになっており、以下に私が好きなルールと、把握しておいた方が良いルールを独断と偏見で記載します。
- 毎週月曜日の0時に各メンバーの送付可能なポイントが 400 ポイントにリセットされる
- リセットまでに使い切れなかったポイントは消失する。つまり、何もしない場合毎週400ポイントが消失する
- 1ポイントは1円で翌月の給料に手当として加算され支給される
- 1回に送れる最大の合計ポイントは 120 ポイントまでで、複数人に送る場合でも同様(4人への送信の場合は1人30ポイントまで)
- Unipos は自分へは送れない
- 他の人同士が送りあっている Unipos へは拍手ができ、拍手を行うと「送った人」「送られた人」にそれぞれ1拍手につき1ポイントが譲渡される
- 自分が含まれている Unipos の投稿メッセージには拍手ができない
ようは「毎週消える400円が付与され、かつそれは他人にのみ渡すことができる」という仕組みです。
ちなみに・・・
給与明細には上記の通り「さばチップ」として記載されます*1。
Unipos 導入当時に私は何を思ったか
2018年10月当時、私はそこそこハードワーカーであり、日々の業務にあまり余裕がありませんでした。
そんな余裕のなさもあり、最初は「Unipos か~・・・仲が良い人同士が送りあうだけにならないかな~」と思って心配していました。
また私自身は「人に感謝すること」があまり得意ではないと思っていました。なので「こういうの苦手なんだよな~」ってなっていました。
「感謝を習慣にしたい」と考えた
ただ自分の意識とは反対に、一緒にプロジェクトを進めていた同僚(部下)からは「佐竹さんって、めっちゃ褒めてくれますよね」とか「褒めるのうまいですよね」とか言われていることにも気づきました。
もしかして、私は Unipos に向いているのでは…?
そのような気付きがあったことと「これを機に感謝を習慣にしたい」と強く思ったことから私は Unipos に関する「縛り*2」を設けました。
それは「必ず毎週 400 ポイントを使い切る」こと。さらに「できれば拍手をせず、自分の言葉で感謝を投稿すること」の2つでした。
これを Unipos が本稼働した当時から、可能な限り守り続けています。
年末年始やゴールデンウイークなど、平日の稼働が一切ない週でも Unipos の400ポイント消化のためだけに Slack から Unipos の投稿コマンドを実行していたりするほどの徹底っぷりです。
そのため毎週金曜日に自分の持っている Unipos のポイントを確認し、残ポイントがあったら使い切ってから終業する癖がついています。
私の Unipos の実績を公開
そんな活動を何年も続けてきた私ですが、一体これまで、どれだけ Unipos で稼げたポイントを頂けたのでしょうか?
そんな時に活躍するのは「ダッシュボード」です。
Unipos には個人の実績が確認できるダッシュボードがありますので、これを確認してみましょう。
ダッシュボードを確認するに、2018年10月から2024年7月4日までの2,103日間(5年と9カ月程度≒およそ300週)で 131,633 pt 頂いていました。
300週で割り算すると、毎週439ポイントほど頂けている計算です。「毎週 400 ポイントを漏れなく渡しているだけ」で「それ以上に返ってきている」ようです。
なお、ダッシュボードにある通り、私は Unipos の投稿数は1位ですが、拍手数は最下位です。
ダッシュボード下部にある「過去半年分のポイント消化率」を見ても、私は基本的に100%使い切っており、反対にほぼ拍手をしていないこともわかります*3。
ピアボーナス Unipos を毎週使い切るコツ!
さて本ブログの本題に参りました。
先のとおり「感謝を習慣にしたい」と念じた私ですが、すぐに困ったことになりました。「感謝したいことが見つからない、見つけられない」のです。
「私は Unipos を投げつけたい感謝がしたいんだ!」
強くそう思っただけでは、正しく感謝することはできません。さらに、根拠のない謎な感謝はきっと相手にも失礼です。
なので私はこう考えるようにしました。
- 感謝すべきことは必ず私の周りにある
- 私の感度が低くてそれらに気付いていないだけ
- 見つける訓練が必要
というように考えるようにしたのです。そうしたら、少し周りの見え方が変わりました。
ちょっと話は逸れますが、自宅や会社の周辺に咲いている草花に気づいている人は実は少数なんじゃないかと、私は思います。
そこに咲いている花があることに気付けるかどうかは、ほんの少し意識すればいいだけなのですが、その意識を持っていない限りなかなか花に気付けないのです。
きっと「感謝の機会」もそのようなもので、気づいてしまえば身の回りに沢山あることがわかるはずです。
具体的な感謝の発見の仕方
私が試みていることを箇条書きにしていきます。
- 「してくれて当たり前」と考えない。日々の業務にも感謝が可能と考える
- 具体的には、上司に対しての「月次の 1 on 1 ありがとうございました」等
- 商談に同行してくれた営業や同僚に「打ち合わせへの同行ありがとうございました」等
- 社長に対しての「賞与ありがとうございました」等
- 同僚に対して「お土産ありがとうございました、美味しかったです」「久しぶりの飲み会楽しかったです」等
- Slack のスレッドでのやり取りや、Google カレンダーを振り返る
- Slack で月曜日から金曜日までのスレッドのやり取りを全て振り返って、感謝可能なやりとりを発見する
- カレンダーで月曜日から金曜日までの予定を全て振り返って、感謝可能なイベントや会議を発見する
- 受け取った Unipos のメッセージを引用して相手に感謝を送り返す
- 同じプロジェクトのメンバーが送っている感謝のメッセージを参考にし、拍手じゃなく自分の言葉で送ってみる
- 「ありがたい」と思ったらすぐに Unipos に送る癖をつける。人はすぐに忘れてしまう
これらの手法を、課内の「感謝することが見つけられないんですよ」と話をしていた同僚らに伝えるととても好評でした。
引用して相手に感謝を送り返す例
なお、以下は「受け取った Unipos のメッセージを引用して相手に感謝を送り返す」の例です。
これは新卒の圡井さんとストリートファイター6*4の対戦会を業務後に実施したというだけなのですが、このようなことにも感謝しあっています。というかは、こういうことにこそ感謝が必要な気がしたりします。
このチャレンジを続けて感じたこと
最後に、このチャレンジ(縛り)を続ける中で感じたことや、想定外の効果について書いてみます。
まず、Unipos のポイントが消えるよりも「とりあえずは気楽に送ってみる」という姿勢が大切です。
感謝を重く捉えてしまうと、ハードルがあがります。挨拶みたいなものだと思って送ると良いでしょう。物理的に会って正面向かってお礼を伝えるより Unipos のほうが気楽で恥ずかしくありません。
重い感謝は相手にとっても重荷になるかもしれないため、先ほどの具体例のように「対ありでした!*5」くらいがもしかすると丁度いいのかもしれません。
そうやって少しずつ感謝に慣れてくると、業務で本当にお世話になったときにもスっと感謝ができるようになっていたりするのです。
思わぬ副次効果
この取り組みを何年も続けていて、思わぬ効果がありました。
「訓練のおかげで日々の生活中に感謝を見つけやすくなった」というのは期待通りでした。
これに加え「何故か渡した分だけ Unipos でお返しが貰えるようになった」だけではなく、さらに「定性的な評価として使える感謝のメッセージが蓄積されていった」のです。
「渡した分だけ Unipos が戻ってきている」という点については、「毎週 400 ポイントを漏れなく渡しているだけ」で「それ以上に返ってきている」と先に記載しました通りです。
次に、2つ目の「感謝のメッセージが蓄積される」についてですが、Unipos で受け取った感謝のメッセージは常に蓄積されており、いつでも振り返りが可能となっています。
そして、これが人事評価などの機会に有用なのです。例えば、勉強会を開催したとして、その勉強会の感想をアンケートシステムなどを使って毎回蓄積するのは少々手間です。
ですが、Unipos で勉強会の感謝を受け取っている場合、それが定性的な評価としても使えます。
実際にこの「感謝の言葉」を勉強会の実績として参照し、評価の一部に活用することは、皆様が思っている以上に効果的です。
まとめ
本ブログでは、ピアボーナスサービス「Unipos」の 400 ポイントを毎週余らせずに使い切るコツを紹介してみました。
再掲になりますが、具体的な「感謝の発見の仕方」は以下の通りです。
- 「してくれて当たり前」と考えない。日々の業務にも感謝が可能と考える
- 具体的には、上司に対しての「月次の 1 on 1 ありがとうございました」等
- 商談に同行してくれた営業や同僚に「打ち合わせへの同行ありがとうございました」等
- 社長に対しての「賞与ありがとうございました」等
- 同僚に対して「お土産ありがとうございました、美味しかったです」「久しぶりの飲み会楽しかったです」等
- Slack のスレッドでのやり取りや、Google カレンダーを振り返る
- Slack で月曜日から金曜日までのスレッドのやり取りを全て振り返って、感謝可能なやりとりを発見する
- カレンダーで月曜日から金曜日までの予定を全て振り返って、感謝可能なイベントや会議を発見する
- 受け取った Unipos のメッセージを引用して相手に感謝を送り返す
- 同じプロジェクトのメンバーが送っている感謝のメッセージを参考にし、拍手じゃなく自分の言葉で送ってみる
- 「ありがたい」と思ったらすぐに Unipos に送る癖をつける。人はすぐに忘れてしまう
Unipos が毎週使い切れなくて困っているような方がいらっしゃいましたら、参考になれば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
*1:これは2024年6月の給与明細です。つまり、私が2024年5月にこれだけ Unipos のポイントを受け取っていたことがわかります
*2:漫画「呪術廻戦」に出てくる用語で、「HUNTER×HUNTER」の自己に対する"制約"と同じ概念です
*3:2024年7月はまだ始まったばかりなのでこの画面で正しい情報が取得できていない状況です
*4:対戦型格闘ゲームです https://www.streetfighter.com/6/ja-jp
*5:対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない https://comic-walker.com/detail/KC_002994_S?episodeType=first はお勧めの漫画です
佐竹 陽一 (Yoichi Satake) サバワクブログの記事一覧はコチラ
マネージドサービス部所属。AWS資格全冠。2010年1月からAWSを利用してきています。2021-2022 AWS Ambassadors/2023 Japan AWS Top Engineers/2020-2023 All Certifications Engineers。AWSのコスト削減、最適化を得意としています。