今週のひとことアーカイブ #20「それ、本当に苦手ですか?」

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こんにちは。広報のたがみです。

本記事は、「今週のひとこと」のレポート第20回目です!

今週のひとこと とは?

サーバーワークスグループでは、毎週月曜日に行われる全社朝会の中で、弊社社長の大石による「今週のひとこと」というコーナーがあります。

その今週のひとことで取り上げられたトピックの中からいくつかピックアップしご紹介していくシリーズです。朝会で実際に話している動画も併せて掲載いたしますので、よろしければそちらもご確認ください!

今週のひとこと 本編

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新卒採用をやっている時に会社説明会をたくさんやるのですが、その中にQAコーナーがあるんです。 そこで学生さんからの質問にライブで答えるっていうことを毎回やっているんですけども、その中で定番の質問があるんですね。 それがこんな質問です。

「文系IT未経験でもエンジニア目指せますか?」

私の答えはシンプルで、「そんなの関係ない」です。そもそも文系理系って分けること自体ナンセンスだよねって思うんです。
それって高校2年生の時、数学や物理が得意だったかそうじゃないかみたいな差ですよね。
文系出身でも、例えば理系の方がやってるような実験や論理的思考、数学的思考能力は絶対必要になります。逆に理系出身でも口頭、文章ともに高度な言語能力って必須です。
私たちも普段ウェブ会議やslack、Backlogなどでお客さんとロジカルな内容や曖昧なことをちゃんと日本語で分かりやすく説明するみたいなことってよくありますよね。
なので、「『どちらも必要だ』と言うのが一番正解に近いですよね」という風に答えています。

ですが、最近あるニュースを見まして、この文系理系は関係ないという話にもう一つ付け加えた方が良さそうだと思うことが出てきたんですね。
それが何かというと、こちらです。

*調査元:https://www.nier.go.jp/timss/2011/gaiyou.pdf
*図の作成元:https://tmaita77.blogspot.com/2016/04/blog-post_10.html

これは、世界の中学2年生の数学のテストの結果を使った表です。
グラフの縦軸が平均点、そして横軸が得意率という表し方をしています。得意率は「得意かどうか」という自己認識の高さの数値ですね。
日本はめちゃくちゃ平均点が高いのに、得意だと思ってる人が20%未満という状況なんです。

これ……なんかすごいなと思いまして……

世界的に見ると、日本は圧倒的にできているんです。中国やシンガポールなどとほとんど同じレベルでできていて、なのに「不得意である」と考えている人がめちゃくちゃ多いということを表しています。

できないと感じてしまうのはなぜか?

これはすごく面白いなと思ったのですが、いろんな考察ができると思います。
ひとつあるとすれば、学校や塾や模試などでの相対評価です。
特に学校の試験では相対評価をされる機会が多いと思います。そうなると、分布で できている / できていない がざーっと並んでしまうので、できているのに相対的にできていないと感じる人が比率で強制的に生み出されてしまうわけです。
その結果、進路選択時に「自分は数学得意だから理系に行こう」とか、本当は数学とか物理とかできているのに「それ以外だから文系に行こう」みたいな、本質的じゃない進路の選択が行われてるんだろうなということが容易に推察できるわけなんですよね。
多くの人が理系適性を持っていながらも、相対的に、消去法的に文系を選択しているということなんじゃないかと思います。

ここから私たちが学べる3つのこと

1. "褒めて伸ばす" "褒められて伸びる"

ここから私たちは何を学べるかというと、褒められていないと苦手だと感じる人が多いのではないか、ということです。 例えば数学で下位30%にいたら、できていても「お前できてねえじゃん」って言われるわけですよね。 そうなると、実際にはできていたとしてもなんだか好きじゃなくなっちゃいますよね。 今回も駅伝で青山学院大学がまた勝ちましたが、青学の原監督がスポーツの世界にほとんど初めて"褒めて伸ばす"ことを取り入れたんじゃないかなと私は思っています。 やっぱり、褒められて伸びるってのは大事だよねというのが1つの学びです。

2. 褒められたら新たな成長のチャンス

あとは、苦手意識=苦手だとは限らないということです。これを自分で発見するのはかなり難しいと思うんですよね。
みなさん、上司の方とのフィードバックの機会などで、自分が苦手だなと思っている領域と、でもそれに対して「あなたそこできてますよ」と褒められることってあると思います。
これって実は、自分の能力開発のチャンスだったりするんじゃないかなと思います。

3. 思い込み(自己認識)に囚われない

そして最後に、人間の知性は文系理系のような単純な枠組で分けられないということです。
これは日本人だからなのか分からないですが、みんな文系や理系とか、血液型とかで分けたりするのが大好きですよね。でも、血液型の性格に対する影響を世界で一番最初に否定したのって日本なんですよ。
戦前に日本陸軍が血液型ごとに能力が違うかどうかっていう大規模な実験をした結果、影響がないという風に日本が一番最初に結論を出したのに、その後1970年ぐらいに血液型診断の本がバカ売れして、定着しちゃったみたいですね。実際にはそんな血液型で性格が変わったりすることはないっていうのがほぼ確定してるわけです。
これと同じように、文系理系にも一定の思い込みっていうのがあるんだろうなと思います。

大切なのは学び続ける姿勢

やっぱり人間の知性や能力って、いろんな組み合わせだと思うんですよね。 大事なことは高校2年生の時に何が得意だったかということよりも、その後も含めてちゃんと学び続けられるかです。 高校生の時数学が不得意だったとしても、今できればそれでいいじゃないですか。 持続的に学んでいくということが、究極的には重要なのかなと思っています。 ということで、仕事の苦手意識は自己認識によるものだと思います。みんなが自分の仕事を得意だと思える環境を一緒に作っていければと思っています!