組織横断したから分かる、営業の魅力と難しさ。そしてこれからの営業に求められるものとは?

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こんにちは、事業開発の松本です(カバー写真右)。
今回はクラウド営業 Advent Calendar 2018の7日目です!

adventar.org

なのですが、僕はいわゆる純粋な「営業」として日々働いているわけではありません。しかし「事業開発」は当社の組織図でいうと営業部の配下に位置しているのです(いわゆる課ではなく部長付となっています)。

そのつながりもあり、今回記事を書いてみています。事業開発と一言でいっても組織によってけっこう役割などが違うと思うので、まずはじめに当社における事業開発の立ち位置や僕がやっていることを説明します。

簡単にいうと、組織を横断しながら縦割りではない形で、いろんな人たちを巻き込みながら、新しいことを始めたり、既存の仕組みに対してドライブをかけていきます。

いわゆる新規事業(といってもまったく新しい事業ドメインというよりは、メイン事業であるシステムインテグレーションにおいて追加する新サービスの提供モデル策定など)の立ち上げから、パートナーとのアライアンス、自社サービスのミッション策定、人事(おもに採用や組織開発)、情報システムの仕組みのアップデート、改善プロセスへの介入(しつつ現場にも出る)などなど、こうやってあげてみるとけっこう幅広いですね。

僕自身大きな会社組織に在籍したことがないので分からないんですが、既存の枠組みではなかなか定義することが難しい存在なのかもなーとは感じています。

最近実施した施策でわかりやすいものとして「ピアボーナス制度」があります。単独で企画からスタートし、今年入社の新入社員とともに「さばチップ」として社内導入を進めました。詳しくはいくつか記事があるのでぜひ読んでみてください!めっちゃいい記事。

sabawaku.serverworks.co.jp

営業の魅力

ようやく本題です。
そんな組織横断している自分から見て、「営業」は非常に魅力的な存在に写ります。個人の観点というよりも、一緒に仕事をする際に「うちの営業は顧客の信頼を勝ち得ているな」、「営業で、BtoB x クラウド x SIを扱うってことはこんなにも価値あることなんだな」と感じることが非常に多いからです。

なぜか。

ファーストタッチから継続して顧客への印象付けが異様に強い(ウマい)のです。

うちの営業スタイルは基本的に問い合わせにきたものに対してリプライをします。いわゆる飛び込みプッシュ型の営業スタイルはほぼありません。幸いなことに問い合わせの数がものすごく多いんです。

しかも最近インサイドセールスチームも立ち上がり、問い合わせに対してのレスポンスレベルもより一層パワーアップしています。

アウトバウンドコールや見込み顧客の創出が営業のタスクとしてほぼ必要ないとなると、営業は受注に向けた提案にリソースをつぎ込むことができます。そうなると必然的に眼の前の顧客へフォーカスが向きます。

それが提案のレベルの高さに結びつくのではないかと。これはうちの営業の強みのひとつであり、魅力を高める要因になってるんじゃないかと思います。

※リード創出機会は様々な施策がありますが、やはりマーケティングコミュニケーションのおかげです。詳しくは後日うちのマーケが語ってくれるはずです。こうした連携も「営業」が強い理由ですね

もちろん営業が提案にフォーカスできることは要素のひとつですが、支えてくれる相棒がいることも大きな武器ですね。アドベントカレンダー初日に営業課長の中嶋が書いてくれているので、ぜひ御覧ください

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なぜ営業が魅力的であり続けられるのか

最近読んだ本がまさに的を得たり、だったのでご紹介です。

http://amzn.asia/d/5QLtV9Bamzn.asia

Salesforce創業者のマーク・ベニオフ氏がこの本で紹介されており、こう語っています。

「この会社もわれわれもつねに変化し続けている。私たちは時間をかけてつくられる経験の産物なんだよ」

うちの営業もまさにこれだ!

クラウドという商材は特に変化のスピードが早いものです。クラウドベンダー側のアップデートで今までの常識がガラッと大きく変わってしまうことも珍しくありませんし、基本は技術的な側面を多く含んだものです。

しかし営業はエンジニアではありません。エンジニア出身の営業もいますが、やはり役割は大きく異なります。

そんな状況の中、一番「変化」にさらされ続けるのが営業だと思うのです。「顧客」という存在に一番近しい存在だからです。

業界の動向や技術そのものの変化というよりは、それらを受けてお客様がどう変化するかを一番にキャッチアップしなければならない、そして自身もアップデートしてどんどん変化していかなくてはいけないのが営業です。

変化し続け、それ自体を楽しんでいる。

これがまさにうちの営業の魅力です。

「イチローでも打率は3割」

営業は結果が非常にわかりやすく数値化されます。僕の直属の上司であり、営業部の部長であり、取締役である羽柴も先日のブログで、営業は「シビアな職業である」と書いています。

hashiva.hatenablog.com

「負ける」ことももちろんあるのです。むしろ通算勝ち越している営業なんてこの世にはいないはずなのです(「俺は勝ち越してる」と言う人もいそうですがw)。いたら会ってみたい。

上述で紹介した本にもこう書いてあります。

数企業で毎週セールスマンたちとミ ーティングを持ち 、その週に受けた「ノー」の数を訊ねていた。すると、受け取った「ノー」の数が多いほど、売上の金額も多いことがわかった

負け越すことが価値あるものにつながっていくことを理解した営業でないと、本当の営業にはなれないはずです。僕自身も「ノー」と言われることに対する理解と行動はなかなか難しいなと思いますし、これらを呼吸するように実践できている人を羨ましく思ったりもします。

チャレンジには失敗はつきものですが、ここでいう「失敗」は経験であり、その経験が成功につながるのであれば、それは失敗ではなく「成功」なのです。

成功への近道はないですが、失敗をするにしても「成功につながる失敗」と「次につながらない失敗」があると思っています。投げやりな諦め感情のこもった結果の失敗は「ただの失敗」でしょう。 やみくもに行動しつづけてたまたま成功したとしても、それまでに起きた失敗の多くは「無駄な失敗」でしょう。

大事なのは、しっかりと仮説をもってチャレンジすることです。失敗自体をネガティブに捉えることがないようにすることです。 イチローも相当な練習を積み、イメージトレーニングをこれでもかと繰り返し、空振り三振をした結果を振り返り、新しいイメージや練習へつなげているはずです。それでも結果は3割なのです。

クラウド営業としてのイチローを目指す?

クラウドのSIerとしての営業はどうでしょうか?顧客が望んでいる結果や成果、顧客が望んではいないが結果として望ましい可能性が高いもの、望ましくはあるがコストが見合わないもの、そもそもタイミングが合わないもの、数多くの選択を迫られます。

しかもその間にも着々と変化は起こっていきます。加えて、コンシューマ向けビジネスと大きく変わるのは「顧客」が個人ではなく、会社や特定の組織であることです。会社や組織といったものは存在があるようでないような、非常に捉えづらく分かりづらいものです。

その存在自体に振り回されてしまうことも多々あります。最終的に行き着くのはそこに存在する「人」になることがほとんどなんですが、僕らのビジネスにおいてはやはり対会社、対組織なのです。

そうしたときにもやはり仮説を持って動き続けることは必要不可欠です。むしろ仮説のない失敗は、そのまま顧客の信頼を失うことにも繋がります。「負ける」ことも数多くあるかもしれませんが「信用を失う」ことは絶対に避けなければなりません。

ただ空振りをしているようでは、イチローになるどころかすぐに戦力外通告を受けてしまいます。

これから営業はどう変わっていく?求められるものは?

これからは営業の時代がくると個人的には思っています。ただし会社組織の営業として、というよりは自分自身の「営業」として、です。

営業は変わっていくことが必要な存在である、と書きました。しかしその変化した先やベクトルは僕もよく分かりません。 こういう風に変化するかもしれないなと予測することはできますが、変化することが必要であるという前提があるため、予測はその時々の指標にしかなりえません。

変化し続けていくなかで重要なのは自分自身の確固たる「軸」です。自分が一体なにに価値を見出し、どういった価値を相手に届けることができるのか。 それらを考え続けられる人が、今後「営業」として求められるようになるのではないでしょうか。逆にいうと、そうした軸を持ちえない人は活躍のフィールドがどんどん狭まるということです。

僕自身も常にチャレンジが必要な場所に身を置きたいと考えています。人々の「はたらく」を変えるために、「はたらく」が変わった世界を見るために、これからもどんどん変化していきたいと思います。

自戒をたっぷりこめて、この想いをここまで記事を読んでくれたみなさんへ届けることができれば幸いです。

最後に、紹介した本の締めくくりの言葉を。

ためらいを捨てて何かを上手に売ることは、僕らを動かすものの本質に対峙することである。そして、それに正直に生きることなのだ 。