抽象的なタスクを進めるときに意識していること

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こんにちは、マネージドサービス部 大城です。

この記事は サーバーワークス Advent Calendar 2024 12/22の記事です。

アドベントカレンダーのブログを書いていると年末年始を感じます。個人的に一番好きな季節です。

抽象的なタスクを進めるときに意識していることを書きます。個人的な見解が入っているので、参考までに留めていただけると幸いです。

はじめに

突然ですが具体的なタスクと抽象的なタスクどちらが好きですか?

私は長年システム運用周りをやっているので、具体的なタスクを石橋を叩いて進めるのが好きです。

一方で抽象的なタスクを進める楽しさも感じています。クローズしたときの達成感は抽象的なタスクのほうが高く感じるためです。

ここ最近は以前に比べてゴールが明確ではない抽象的なタスクが多いと感じます。 良くいうと新しいことにチャレンジする楽しさがあります。悪くいうとカオス化していて過去事例やこれまでのスキルが役に立たないケースもあります。

定義

石丸さんに怒られそうなので、この記事内の具体的なタスクと抽象的なタスクを定義しておきます。

具体的なタスクの定義

この記事内では過去事例が多くあり手順化されているタスクとします。ゴールが明確で進めやすいタスクとなります。

  • 単体テストを行う
  • ディスクを拡張する
  • コンビニでビールを買う

抽象的なタスクの定義

この記事内では過去事例が少なくゴールが明確ではないタスクとします。

  • パフォーマンスを上げる
  • セキュリティを強化する
  • 世界を平和にする

抽象的なタスクの進め方

私が普段やっている抽象的なタスクの進め方を順番に書いていきます。

例がないと分かりにくいので「綺麗な魚が観たい」というリクエストを題材に書いていきます。

依頼者に背景とやりたい事を聞く

「綺麗な魚が観たい」だけだと何をやればいいか分からないので、まずは依頼者に背景とやりたい事をざっくり聞きます。

例題だとこんな感じ

Q なんで綺麗な魚が見たいのか
A 癒しに飢えてる

Q 熱帯魚 or ジンベイザメ or ペンギン
A 熱帯魚でいいよ、サメとか刺激の強いの不要

Q ダイビングしたいのか
A No。別に海に入りたいわけじゃない

Q ハワイでも行きたいのか
A No。日帰りでさくっと魚が観たい

リクエストを分解、整理する

前項で持ち帰った「やりたい事」を分解して整理します。

このときにお勧めなのが言語化してテキストに出力することです。手書きが好みの方は物理的なノートでも大丈夫です。

頭の中だけで考えていると、悩みが増えワケがわからなくなってきます。

例題だとこんな感じ

熱帯魚が観たい
-> ニモのようなかわいい熱帯魚が見れれば良いかな
きれいなクラゲでも良いかも

別に海に入りたいわけじゃない
-> 水族館で良さそう
友人に水族館詳しいやつがいるから聞いてみるか
ペットショップの熱帯魚コーナでもいいのかな

さくっと日帰りで
-> 平日はさすがに難しそう
休みの日に日帰りでいけるところで良いかな
電車がいいかな、車がいいかな両方だしてみるか

癒しに飢えている
->帰りに温泉でも行くか
それとも癒しの音楽が聴ければいいかな

自分の中で仮説を立てる

自分なりに仮説を立ててゴールを決めます。

例題だとこんな感じ

プランA
レンタカーを借りて熱帯魚が見れる水族館へ行く
車内では癒しの音楽をかける

プランB
電車でクラゲが見れる水族館に行く
帰りに温泉に行く

ゴールを合意する

自分で考えた仮説を依頼者に「これでよいか?」合意を取ります。

依頼者側がゴールを示す前に、自分の仮説を先出しするのがポイントです。スピードが求められます。風呂敷を先に広げるイメージです。

例題でプランAが選ばれたことにします

なぜ自分の仮説を先に出すのか?

依頼者側がゴールを示してしまうと「あれやって」「こうじゃない」「ああじゃない」とやらされ感が多くなり自分自身のストレスが増えてしまいます。 自分で考えた仮説は、自分の都合の良いプランになっていることが多いです。 言い換えると自分のやりたくないことがフィルタリングされていることになります。 不要なストレスを減らすためにも自分から動くことをおすすめします。

todoを洗い出す

ここのポイントは人に協力をお願いするタスクが出てきた場合、先に協力者のスケジュールを抑える事です。一番時間がかかるのは調整事項です。自分のタスクは後回しにして先に調整事項から済ませてしまいます。

例題だとこんな感じ

水族館に詳しい友人に話を聞く調整をする(協力依頼)
レンタカーを予約する
当日のルートを調べる
癒しの再生リストを作っておく

いつやるか決める

ここまでやると概ねタスクが具体化していると思います。あとは淡々とこなすことでゴールに繋がります。

私自身締め切りドリブンの性格なのでまずは自身のスケジュールに「この日この時間はxxをやる」を先に入れてしまいます。

先にスケジュールを入れないと差し込み仕事が入ってきて気づいたら時間が過ぎてしまい、ズルズルと先延ばしになってしまいます。

こまめにレビューする

todoを進めながらこまめにレビューを依頼します。

  • 骨組みができたら
    • こんな感じの方向性で進めるけどよい?
  • 半分進んだら
    • 半分できたよ。気になる点や不明点があったら言ってね
  • クローズもう一息のところで
    • こんな感じでリリースするよ。良いよね?

対面でのレビューはコストが高いので非同期のレビューをお勧めします。

ただし対面で話したほうが早いケースもあります。その場合は事前にアジェンダを作ってMTGで達成したいこと、自分なりの答えや進めたい方向を明確にしてから挑みます。

アジェンダなしで進めてしまうと議論に時間かかってしまい、何を目指してMTGしているのか分からず話が発散しやすいです。

(ただしアイデア出しを目的にしたブレストのようなMTGは「さあ!みんなで考えよう」スタイルで良いと思います)

クローズする

お疲れさまでした。骨組みからこまめにレビューしているのでおそらく差し戻しは少ないと思います。

さいごに

ここまで読んでいただきありがとうございます。

具体的なタスクに比べると、抽象的なタスクは不安やストレスが多く「やります!」と手を上げにくいですが、積極的に手を上げてチャレンジしてほしいです。

周りがやりたがらないタスクはブルーオーシャンです。意外な経験値を得ることもあるのでお勧めです。

今年もお疲れさまでした。良いお年をお迎えください!

参考になった本や記事:

大城 慶明 (記事一覧)

マネージドサービス部

2022年10月サーバーワークスに入社、沖縄からリモート勤務。AWSを勉強中。沖縄では大城が多いので「よっさん」と呼ばれています。AWS15冠。NRUG沖縄支部運営。X @yo_ohshiro