
本記事は、「ファシリテーションって何をすればいいのか」と悩むジュニア層の方に向けて、伝えたい内容を記載しようと思います。
はじめに
日々ファシリテーターとして会議に関わる中で、「ファシリテーションって、結局何をすればいいんですか?」という声を後輩からよく聞きます。
ファシリのノウハウやTipsは世の中に溢れていますが、今日はその中から「これだけは絶対に押さえてほしい」という1点に絞ってお伝えします。
以前タスク管理のブログを書いたら「長すぎる!」と後輩に怒られたので、今回は簡潔に......
この記事で伝えたいこと
本記事の要点は以下です。
- 無駄な会議の原因は、ファシリテーターの「準備不足」にある
- ファシリテーションとは、場を回すことではなく、会議を設計すること
- 設計の核心は「ゴールの設定」と「論点の構造化」の2つだけ
- この2つさえできれば、会議の質は劇的に変わる
その無駄な会議、誰のせいだと思いますか?
今週参加した会議の「目的」を、いくつ言えますか?
目的が曖昧なまま始まり、話が発散し、何も決まらずに終わる。そんな会議、心当たりがある方も多いのではないでしょうか。
無駄な会議は、ファシリテーターが作っています。
誤解を恐れず言い切ってしまいました。
では、ファシリテーターは本来何をすべきなのでしょうか。
ファシリテーターの仕事とは何か
ファシリテーターの仕事は「議論のプロセスに責任を持つこと」です。
会議で決める中身は参加者全員の責任。何を決めるか、どう決めるか、どんな場を設計するかがファシリテーターの責任です。
よく「ファシリテーション=会議の司会進行役」と言われます。
しかし、私が考える本質はこうです。
ファシリテーションとは、場を回すことじゃない。会議を設計することだ。
いい会議とは
では、いい会議とはどんな会議でしょうか。
一言で言い切るなら、「参加者の知識・経験・知見を持ち寄り、建設的にぶつけ合い、全員が納得できる解を作る場」です。
「情報共有のため」「定例だから」という理由だけで設定された会議は、この定義を満たしていません。目的を言えないまま開いた会議は、すでに失敗しています。
では具体的に、いい会議を実現するための「会議設計」とは何をすることなのでしょうか。
会議設計とは具体的に何か
ファシリテーターの仕事は「準備・進行・事後整理」の3つに分けられます。
しかし正直に言うと、9割は準備で終わります。この準備こそが会議設計です。
準備さえ整っていれば、進行中は論点を順番に消化するだけでよく、難しいテクニックは必要ありません。(※テレビのコメンテーターのような高度な進行は別として、一般的なビジネスの会議においては、という話です。)
準備でやることは2つだけ
① 会議のゴールを一文で書くこと、② そのゴールに必要な論点を構造化すること。たったこれだけです。
1. 会議のゴールを一文で書く
「〜について話し合う」は手段であって、ゴールではありません。
「この会議を開くことで、何を得るのか」を一文で書いてください。
その際、以下の3点を満たしているか確認しましょう。
- 達成可能か:その会議の時間・メンバーで実際に達成できるゴールか?
- 価値があるか:ゴールを達成することが、仕事の期待値や成果に直結しているか?
- 達成度が判断できるか:会議が終わったとき、ゴールを達成できたかどうかが明確に判断できるか?
この3点を満たしたゴールを「〜を決める」「〜を確定させる」という形で一文に落とし込んでください。それだけで、会議の目的が一気に明確になります。
2. ゴールに必要な論点を分解する(構造化)
そのゴールを達成するために「何を問わなければならないか」を洗い出します。
論点を評価する際は、以下の2軸で判断してください。
- 答えて意味があるか:その問いに答えることが、会議のゴール達成に直結しているか?
- 答えやすいか:その場のメンバーで実際に議論・判断できる問いか?
| 答えやすい | 答えにくい | |
|---|---|---|
| 答えて意味がある | 良き論点 | 会議目的の裏返し |
| 答えて意味がない | だから何? | 的はずれ |
目指すのは「良き論点」だけです。論点が整理できたら優先順位と時間を割り当てれば、アジェンダの完成です。
会議当日はこの論点を順番に消化していくだけで大丈夫です。
なお、論点の分解はそれ自体が1つのスキルです。重複や抜け漏れがあると会議は途中で迷走してしまいます。
詳しいテクニックは別途ブログにまとめる予定ですので、まずはこの2軸を意識することから始めてみてください。
まとめ
ファシリテーションのテクニックは、後から身につければ大丈夫です。
まず今日から、会議を設定する前に必ずこれだけを自問してみてください。
- 「この会議のゴールを、一文で言えますか?」
- 「そのゴールに必要な論点が、設計できていますか?」
最初はうまくできなくて当然です。それでも、この問いを持つだけで会議への向き合い方が変わります。その小さな一歩が、あなたの周りの無駄な会議を確実に減らしていきます。
ジュニア層のみなさんにとって、会議はまだ「参加するもの」かもしれません。
でも、設計する側に回ったとき、チームへの貢献の仕方がぐっと広がります。
本記事がその第一歩になれば嬉しいです。ぜひ明日からの会議で、試してみてください!
日高 僚太(執筆記事の一覧)
表彰:2024 Japan AWS Jr. Champions / Japan AWS Jr. Champions of the Year 2024 / 2024-2025 Japan AWS All Certifications Engineers / 2025 Japan AWS Top Engineers (Services)
クロスインダストリー第1本部所属。2022年IT未経験でSWXへ新卒入社。
記事に関するお問い合わせや修正依頼⇒ hidaka@serverworks.co.jp