3つのケースからひもとく、サーバーワークス流 ”課題解決”

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こんにちは、社長室の広報チームでOJT中のわたのです。

今回、私はOJTの一環として、サーバーワークスの過去のプロジェクト事例をリサーチすることに取り組みました。技術の進化が目まぐるしい今、サーバーワークスで活躍するエンジニアとは具体的にどのような人なのでしょうか?

事例を深く掘り下げるうちに、私が当初持っていた「最新技術を使いこなす人=すごいエンジニア」というイメージは大きく変わりました。

この記事ではサーバーワークスのプロジェクト事例から見えてきた、エンジニアとしての強みをお伝えしていきたいと思います。

【ケース 1】限りなく止まらないシステムを目指して

社会インフラを支える金融機関や企業の基幹となるシステムにおいて、絶対に止まらない信頼性と鉄壁のセキュリティを確保することは最優先事項です。特に、厳格なセキュリティ基準への対応や、長年使ってきた自社サーバー(物理サーバー)からクラウドへ移行する際には、監査の厳しさとクラウド特有の仕組みとの間で、設計の辻褄を合わせる高度な判断が求められます。

一方で、多くの現場では厳格なルールを守ろうとするあまり、クラウド本来の柔軟性やスピードが犠牲になり、社内のDXが停滞してしまうというジレンマを抱えています。

この頑丈さと柔軟さという相反する条件を、いかにして両立させるか。サーバーワークスでは、AWSの仕組みを熟知した技術力と、お客様の業務を深く理解し伴走する支援スタイルを融合させることで、この課題に対する解を導き出しました。

ここでは、インターネット通信を極限まで排除する通信設計や、数年がかりの堅実な移行計画を通じて、いかにして頑丈かつ柔軟なクラウド基盤を作り上げたのかを紹介します。

国際セキュリティ基準への挑戦(株式会社琉球銀行様)

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世界水準の厳格なセキュリティをゼロから作り上げる。それが琉球銀行様にとっての最大の挑戦でした。海外発行カード(UnionPay/銀聯)を取り扱う業務を開始するにあたり、クレジットカード業界の国際的なセキュリティ基準であるPCI DSSへの準拠が必須条件となりました。しかし、数百項目にも及ぶ厳格な要件をクリアすることは、前例のない挑戦です。加えて、インターネット経由での管理が一般的であるAWS環境において、外部通信を極限まで遮断しなければならない物理的なセキュリティ基準をどう満たすか。この物理とクラウドのギャップこそが、乗り越えるべき大きな壁となっていました。

ここで解決すべき技術的なジレンマは、つながらない安全性とつながる利便性の両立でした。PCI DSSでは外部との通信を遮断する必要がありますが、AWSは本来インターネットにつないで利用するものです。この矛盾に対し、サーバーワークスは知見を総動員し、インターネットを通さずにAWS内部で通信を完結させる技術(VPCエンドポイント)を駆使しました。お客様と共に構築と検証を粘り強く繰り返すことで、この相反する要件を満たす構成を導き出したのです。

このプロジェクトの成果は、単なるシステム構築にとどまらず、お客様と共に成長し信頼を勝ち取った点にあります。無事に期限内でのPCI DSS準拠認定を取得し、サービスの開始を実現しました。さらに、このプロジェクトで得た知見はサーバーワークス自身の成長にもつながりました。後に、サーバーワークスの運用代行サービスにおいてもPCI DSS v4.0.1の認定を取得するなど、お客様と同じ目線で課題を乗り越え、共に成長する姿勢が示されたよい例だと思いました。

私の想像ですが、厳しい要件定義とタイトなスケジュール。この二つを両立させるのは、まさに針の穴に糸を通すような高難度のプロジェクトだったはずです。個人的に興味深かったのは、そのプレッシャーの中で無事にプロジェクトを成功させただけでなく、その過程でお客様もサーバーワークスも互いに成長している点です。困難な壁こそがチームを強くする、そんな現場の熱量が伝わってきました。

攻めのリニューアルと、守りのガバナンス(株式会社ハルメクホールディングス様)

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ハルメクホールディングス様が直面していたのは、Webメディアの進化と個人情報保護の両立という課題でした。雑誌からWebメディアへの本格展開に伴い、インフラ基盤の刷新(モダナイゼーション)と、多くの個人情報を扱うためのセキュリティ強化が急務となっていました。しかし、複数のベンダー(アプリ開発会社など)が関わる複雑なプロジェクトであり、スケジュールの遅延や連携ミスが許されない緊張感のある状況でした。

解決策として、サーバーワークスはアプリ領域まで踏み込んだワンチームでの伴走を行いました。技術面ではコンテナ技術(Amazon ECS)を採用し、将来のアクセス増にも柔軟に対応できる基盤を構築すると同時に、AWS Organizationsによる統合管理で全社的なセキュリティ統制を実装しました。さらに、インフラの構築だけでなく、アプリベンダーの領域まで考慮した構成を提案。能動的に連携をリードすることで手戻りを防ぎ、アプリ開発チームが作業しやすい環境を前倒しで整備しました。

その結果、新メディアHALMEK upの安定稼働を実現し、2024年12月、新メディアへの切り替えが完了しました。動画などのリッチコンテンツも遅延なく配信できる安定性と、強固なセキュリティを両立しています。リリース直後に発生したCDN (Content Delivery Network) の配信費用高騰などのトラブルも、サーバーワークスの即座のアドバイスにより解決し、運用フェーズに入っても継続的なコスト最適化を実現しています。

個人的な感想ですが、この事例は会社の垣根を越えたワンチームとしての体制をまさに体現されたプロジェクトだったと思います。プロジェクトマネージャーが心がけたのはあえて役割を線引きしないこと。別の会社であるアプリベンダー様にも積極的に働きかけ、アプリ側の要件にも踏み込んで提案する姿は、まさにプロジェクト推進の要だと感じました。自身の担当範囲を超えてでもお客様のゴールを目指す姿勢に、強いプロ意識を感じました。

【ケース 2】ビジネスのスピードと柔軟性を加速させる

日々目まぐるしく変化するビジネス環境に対応するために、多くの企業では素早くシステムを開発し、素早く改善し続けることが求められています。しかし現場では、スピードを優先するあまりシステムが乱立して管理不能になったり、逆に管理を厳しくしすぎて開発が停滞したりするというジレンマを抱えがちです。素早く開発を進める攻めのスピードと、しっかりと管理する守りの統制。この両立が必要不可欠です。

サーバーワークスは、単にシステムを作るだけでなく、お客様自身が使いこなすための環境づくりと人づくりを支援することで、これらの両立を可能にしました。ここでは、分散したシステムを安全に統合管理する仕組みや、現場エンジニアを育てる実践的なトレーニングを通じて、いかにしてお客様が自らの足で走り出す力を手に入れたのかを紹介します。

バラバラだったシステムを一つに(株式会社ヤオコー様)

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ヤオコー様が直面していたのは、バラバラだったシステムによる管理の限界でした。複数のベンダーに依頼してシステムを作ってきた結果、システム同士の連携が取れずサイロ化が進んでいました。システムごとに管理方法が異なるため、全体のコスト把握やセキュリティ管理が複雑になり、社内の負担が増大していたのです。

解決策として、全体が見渡せる統合管理の仕組みを導入しました。AWSの統合管理サービス(AWS Control Tower, AWS Organizations)を活用し、散らばっていたシステムを一つの大きな箱の中で管理できる基盤を構築。さらにクラウドシェルパという支援サービスを通じて、お客様と一緒に運用ルールの策定を行いました。

目指したのは、社内のメンバーだけで開発できる自走環境の構築です。ログインIDを一元化することで利便性と安全性が向上。加えて、Terraformなどの技術を用いて設定を自動化するプログラムを提供しました。これにより、複雑な設定作業が自動化され、社内のメンバーだけでスムーズにシステム開発が進められる体制が整いました。

こちらの事例を調べた上での感想ですが、単にルールを策定するだけでなく、お客様が将来にわたって運用し続けるための仕組みづくりを重視している点が印象的でした。成果物としてのシステム構築だけでなく、基礎となるルールやモジュール開発の整備まで支援することで、お客様自身が迷わずに開発できる環境を残す。これこそが、お客様の自走を支える本当の意味での伴走なのだと感じました。

最新技術を使いこなす人を育てる(TOTO株式会社様)

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移行の次は活用へ。しかしそこには知識不足という壁がありました。AWSへの移行が完了した次のフェーズとして、サーバーレスなどの最新技術を使いこなし、さらに便利に活用したいという思いがありました。しかし、社内には最新技術の知見を持つメンバーが少なく、どう業務に取り入れるべきか悩まれていました。

そこで実施したのが、まるで家庭教師のような密着型の技術支援です。サーバーワークスのエンジニアが定期的に勉強会やハンズオンを実施。疑問をその場で解決しながら、実践的なスキル移転を進めました。

支援の効果はすぐに現れ、試すスピードが上がり、現場のアイデアが次々と形になり始めました。わからないことで手が止まる時間が減り、現場のアイデアを形にする実証実験のサイクルが格段に速くなりました。ただ作ってもらうだけでなく、作り方を学ぶことで、お客様自身が技術を武器に、新たなプロジェクトへの挑戦を自発的に進められるようになりました。

このお客様の事例を見て、一方的に教えるのではなく、同じ目線で課題に向き合うパートナーとしての姿勢が印象的でした。隔週でお客様のオフィスを訪問し、疑問があればその場で一緒に手を動かして解決する。まさに、「わからない」が「わかる」に変わる瞬間を共有し、お客様自身のスキル向上をサポートするプロセスそのものを大切にしていることが伝わってきました。

【ケース 3】ツールと仕組みの改善による自走支援

ビジネスが成長すると、どの企業でもシステムの維持費や、人手による管理の負担が増加していきます。特にクラウドを積極的に利用している企業では、データの増加に伴うコスト膨張や、改善の余地がある業務プロセスの蓄積により、効率化が停滞するケースが見られます。しかし、「ツールの機能が足りない」「リソースがない」といった理由で改善が進まないことも少なくありません。本質的な問題は、お客様が道具(ツール)や外部業者の仕様に業務を合わせなければならないという不自由さにあります。

そこでサーバーワークスでは、お客様の声に合わせてツール自体を進化させたり、徹底的な技術支援を行うことで、本来あるべき業務の姿を取り戻すアプローチをとっています。

お客様の声で進化したツール(株式会社ファミリーマート様)

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人気アプリの急成長に伴い、コスト増と手作業の限界という課題が浮上していました。スマホ決済アプリであるファミペイの利用者急増に伴い、システムの利用料金が増加していたのです。調査の結果、過去に作成されたスナップショットがストレージを圧迫しており、これがコスト増の要因だと判明しました。これに対処するにはデータの整理が必要でしたが、手作業では漏れのリスクがあり、担当者の大きな負担となっていたのです。

解決のアプローチは、お客様の声に合わせてツールや運用の仕組みを進化させることでした。サーバーワークスは自社で提供する運用自動化サービスCloud Automatorを活用し、お客様の課題であった不要なバックアップデータを一括削除する仕組みを実装・提供しました。 この取り組みにより、運用の完全自動化を達成し、年間約2万5000ドル(約362万円)ものコスト削減を実現されたそうです。

この事例を調査してみた感想ですが、既存のツールを提供して終わりではなく、お客様のために柔軟に解決策を提示する姿勢が評価された事例だと思いました。例えば、このような場合に「既存の機能では対応できません」と断ることは簡単だったはずです。しかし、サーバーワークスはそれなら機能を作ればいいという発想で自社サービスそのものをアップデートしました。

あるものを売るのではなく、お客様の課題解決のために必要なものを作り出す。その柔軟性と解決への執念に、エンジニアとしての矜持を感じました。

コスト半減と自律開発:電話システムを自分たちの手に(株式会社沖縄債権回収サービス様)

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沖縄債権回収サービス様では、お客様との電話でのやり取りを記録・管理するために、クラウドベースの電話システムを利用していました。しかし現場のオペレーターからは、業務効率のさらなる向上を図るために、新たな機能強化の要望が寄せられていました。このような背景から、新しい電話システムの導入を検討されていたそうです。しかし既存の電話システムは機能追加のコストが高く、さらに外部業者への依頼も必要でスピード感に欠けていました。もっと自由にシステムを変えたいという思いはありつつも、社内に開発ノウハウがないことも導入における一つのハードルだったそうです。

解決策は、クラウド型電話システムであるAmazon Connectの導入と、徹底した技術支援の組み合わせでした。また、システム構築だけでなく、サーバーワークスのエンジニアが伴走し、お客様自身がメンテナンスや開発を行えるよう徹底的な技術指導を行いました。

その成果は、コスト削減と、外部に頼らない開発力の獲得です。運用コストを約50%削減することに成功し、現在は独自の画面や機能を社内で開発できるまでになっています。さらに、生成AIを活用した通話要約機能の開発・検証をお客様自身の手で進めるなど、技術を自社の力に変えて自走されています。

この事例を調査してみた上での個人的な感想ですが、システム導入のゴールを稼働ではなく、お客様自身の自走に置いている点が非常に重要だと感じました。丁寧な技術支援の結果、今ではお客様ご自身で生成AIを活用した機能拡張の検証まで行われているとのことでした。ベンダーへの依存を脱却し、技術を自社の力に変えていく。これこそがDXの目指す姿なのかもしれません。

私が感じたエンジニアとしての本当の強み

これらの事例を通じて、サーバーワークスのエンジニアのすごさは、単にAWSに詳しいことだけではないと実感しています。私が一番感動したのは、お客様の成功のために徹底して寄り添う姿勢と、それを実現してしまう圧倒的な技術の引き出しです。

この技術力×人間力こそが、AIが進化しても変わらない、エンジニアとして大切な強みの一つだと思います。

サーバーワークスには、最新技術を導入するだけでなく、お客様の課題を技術で解決するという「正解のない問い」に挑み続ける先輩たちがいます。

コードを書くスキルに留まらず、お客様のビジネスまで踏み込んだ経験を積むことで、技術・経営・チームビルディングといった多角的なスキルを身につけられる環境に、私自身も強く魅力を感じています。

私も早く一人前になり、このような難しい課題を解決できるエンジニアになりたいです。

みなさんも、私たちと一緒に新しい未来を描いてみませんか?

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綿野桂人

新卒1年目